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ひきこもりの41歳長男、たばこに月3万円 一家は年100万円の赤字 どうする?

たばこをやめるよう長男に伝えたが…

 基本生活費の中で、筆者が一番気になったのは長男のたばこ代。たばこを吸うのが悪いとは言いませんが、収入に対してその金額が多いように感じたからです。

 母親によると、長男は毎日1箱以上吸っているそうです。長男は心療内科に通院しており、薬を飲んでいます。医師からは「薬が効き過ぎてしまうこともあるので、飲酒は控えるように」とアドバイスを受けているため、飲酒は一切していません。その反動なのか、たばこは毎日吸っています。

 長男は無職で収入がないので、日々のたばこ代は母親が渡しています。たばこ代を渡さないと長男は声を荒らげるので、仕方なくお金を渡しているとのことでした。母親は長男の健康を心配し「もう少したばこを控えたらどうか」とアドバイスをするものの、長男は全く聞き入れてくれないそうです。

 念のため筆者は母親に聞いてみました。

「私(筆者)はたばこを吸わないのであまりよく分かりませんが、最近では電子たばこに切り替えるケースもあるようです。電子たばこにすることで、年間費用も従来の紙巻きたばこより抑えられるようです。本当なら、禁煙外来でたばこを徐々に減らしたり、吸うのをやめたりできればよいのですが。その辺はどうなのでしょうか」

 すると母親はさらに厳しい表情になりました。

「長男は何かを変えるといったことを嫌がる性格のようで、従来の紙巻きたばこの方がよいみたいです。また、禁煙することも拒否しています」

 母親の話を聞く限り、長男にたばこ代の節約を求めることは難しそうです。それでも、今まで通りの生活を続けてしまったら、両親が亡くなる前に貯蓄がほぼ底を突いてしまいます。そこで、筆者は次のような提案をしてみました。

・まずは長男にこれからの家計収支を伝える
・長男にも可能な限り、節約するようにお願いしてみる
・長男が節約を拒否するようであれば、両親の支出を見直す

「仮に息子さんのたばこ代が見直せないとなると、次はご両親の支出を見直すことになります。かなり痛みを伴ってしまいますが、具体的にはご両親の交際費やお小遣いなども見直すということです。また、息子さんの国民年金保険料は免除制度を利用することも検討しなければならないでしょう。本当なら免除にするのではなく、たばこ代の方を見直せるとよいのですが…」

 それを聞いた両親は、がっくりと肩を落としました。

「やはりそこも見直さないといけませんか…」

 父親はそうつぶやきました。

「いずれにせよ、今のような生活を続けることはあまり現実的ではありません。私(筆者)の方で、息子さんにも見てもらう資料を作成しますので、本人とよく話し合ってみてください」

「はい。そうしてみます…」

 母親は力なくそう答えました。

 後日、母親から筆者に連絡がありました。母親によると、長男に今後の家計収支を伝えましたが、あまり理解を示してくれなかったそうです。長男はたばこの本数を減らすこともなく、毎日のように吸っています。一方で、長男は国民年金保険料の免除を申請することには同意してくれました。「当面は両親のお小遣いや食費を減らし、新聞購読をやめるといったところから節約することで赤字を減らしていく」といった結論になったそうです。

「息子だけに節約を強いても本人は納得しませんので、まずは私たち親の分から節約をしようと決めました。それでも家計が赤字になるようでしたら、もう一度息子を説得してみるつもりです」

 母親からの報告を聞いた筆者は、心が重くなっていくのを感じました。

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

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浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

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