オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

  • HOME
  • ライフ
  • カラコンを気軽にネット販売する行為へ警鐘「販売ダメだし譲るのもダメ」、弁護士に聞く

カラコンを気軽にネット販売する行為へ警鐘「販売ダメだし譲るのもダメ」、弁護士に聞く

「カラーコンタクトレンズ」の譲渡や販売について「販売ダメだし譲るのもダメ」とする投稿が話題になっています。これらの行為にはどのような法的問題があるでしょうか。

カラコンの譲渡や販売、法的問題は?

 SNS上で「カラーコンタクトレンズ」の譲渡・販売に警鐘を鳴らす投稿が話題となっています。投稿者は、SNSやフリマアプリ上でカラコンの譲渡先を募集する投稿が相次いでいることに触れ、「厚労省のページに『高度管理医療機器として医薬品医療機器法の規制対象』ってあったし、薬事法とかもあるんだね」「販売ダメだし譲るのもダメ」「カラコンの説明書に書いてある」と呼びかけました。

 これに対し「これはさすがに怖いわ」「カラコンは医療品だから販売許可なく素人がネットで売り買いしていいもんじゃないんですよ」「薬事法に引っかかったらどうなるのかな」などの声が上がっています。カラコンの譲渡・販売に関する法的問題とはどのようなものでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

生命や健康に重大な影響を与える恐れ

Q.医薬品医療機器法の基本理念を教えてください。

牧野さん「医薬品医療機器法の目的は『医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保、並びに、これらの使用による危害の発生及び拡大の防止』が主なものです(医薬品医療機器法第1条)。この目的を達成するために、同法によって医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造・販売等で必要な規制を行っています(同)」

Q.カラコンが「高度管理医療機器として医薬品医療機器法の規制対象」であるのは事実でしょうか。

牧野さん「はい。おしゃれ用カラーコンタクトレンズは医薬品医療機器法の規制対象です。平成21年11月4日から、視力補正を目的としないカラーコンタクトレンズ(おしゃれ用カラーコンタクトレンズ)については、視力補正用コンタクトレンズと同様に人の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがあることから、その適切な管理が必要なものとして厚生労働大臣が『高度管理医療機器』に指定しており、医薬品医療機器法の規制対象となっています」

Q.販売許可のない者がネット上でカラコンの譲渡・販売を行った場合、売り手と買い手にはどのような法的ペナルティーが科されうるでしょうか。

牧野さん「売り手については、『業として』(=ネット上を含む販売などを反復継続して行う場合、反復継続の意思が外形上認められれば一回限りのネットオークション上の販売でも該当する可能性あり)、おしゃれ用カラーコンタクトレンズの製造・輸入を行う場合は厚生労働大臣の承認が、その販売にあたっては都道府県知事の販売業の許可および販売管理者の設置がそれぞれ義務付けられています(医薬品医療機器法第39条など)。これに違反すると、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられる可能性があります(同法84条1項8号)。一方『業として』に該当しない販売などであっても、(1)その全部または一部が不潔な物質または変質もしくは変敗した物質から成っている医薬品(2)異物が混入し、または付着している医薬品(3)病原微生物その他疾病の原因となるものにより汚染され、または汚染されている恐れがある医薬品、などのいずれかに該当するカラコンをネット販売した場合には、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられる可能性があります(同法84条1項6、7、8号)。買い手については、それらを『業として』の販売目的で所持していない限り、自分で使用するために購入することについての罰則は特にありません」

Q.販売許可のない者から購入したカラコンによって身体的な被害が発生したら、その法的責任はどうなりますか。

牧野さん「民法709条の不法行為の規定で、売り手に故意または過失(=販売時に身体的な被害が発生しないかどうかについて十分な注意を払わずに、不注意で損害を発生させた場合)が証明されれば、発生した損害を賠償する責任が生じえます」

(オトナンサー編集部)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

コメント