「羊の木」吉田大八監督、錦戸亮の演技を絶賛「市役所職員・月末がそこにいた」
新しいサスペンス映画ができた手応え

Q.錦戸亮さんの印象をお願いします。
吉田監督「アイドルとしての彼のことはよくは知りませんでしたが、地味なスーツを着て市役所に立つと、職員・月末がそこにいました。すごいのは、そんなに普通に見えて、演技を始めると目を離せなくなることです。『羊の木』に出るために俳優をやってくれていたのではないかと思うくらい、ハマっていました。ただ、必死に自分を殺してるというわけでもなく、『考えて演じた跡』を消す能力がずば抜けているのだと思います。観客がそこに作為を感じてしまうと、月末を通じて物語を体験する障害になる。彼は、ある場面では透明になって観客と物語をつなぎ、ある場面では強く自分を出して彼そのものに気持ちが向くようにしてくれました」
Q.松田龍平さんが演じる宮腰は、人懐っこそうなのに何を考えているのか分からない怖さを感じる役でした。何か演技指導や演出はあったのでしょうか。
吉田監督「彼の役もすごく難しくて、脚本だけでは全体像はつかめなかったと思います。最終的に人間の理解を超えたところで成立させるしかないと決め、彼にそう話しました。彼の持っている“自由さ”でそこに届きたいという、賭けでした」
Q.木村文乃さん演じるキャラクターはオリジナルですが、オリジナルキャラを入れた理由をお願いします。
吉田監督「月末が6人と向き合う仕事と関係ない場所で出会える人としてまず考えました。木村さん演じる文は高校を出てすぐ都会に出て、月末と会うのは10年以上ぶりです。その間のことをなかなか聞けない月末は次第に文と宮腰、2人の見えない過去に追い詰められてしまう。関係ないはずのものが月末の中で重なり、サスペンスになっていきます」
Q.最後に映画を楽しみにしている方々にひと言をお願いします。
吉田監督「ハラハラドキドキはもちろん、人間ドラマやコメディーまで欲張り、自分なりの新しいサスペンス映画ができたという手応えがあります。反響が楽しみです」
(オトナンサー編集部)
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