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「ホワイト企業はブラック企業よりも少ない残業で儲かっている」投稿話題に、両者の違いとは?

マネジメント能力の「差」

Q.投稿のように、ホワイト企業は短い労働時間でも利益を上げられるものですか。

塩谷さん「労働時間の違いというよりは、両者のマネジメント能力と裁量による差が影響している可能性はあると思います。ホワイト企業は社員のために生産性を高める労働環境を整えているケースが多く、マネジメントが正常に機能していると言えます。管理の目を行き届かせ、社員のモチベーションと能力を引き出す土台を整えることは、仕事の効率化にも直結するのです。一方、ブラック企業は、年功序列などの出世システムが重視される会社も少なくなく、必ずしもマネジメント能力にたけた人材が管理を担っているとは限らないという背景もあると思います。加えて、人手不足の慢性化による影響で長時間労働が行われやすい風土が育ちやすいほか、サービス業などのようにそもそも時間を費やすこと自体が効率化につながる業態があることも無視できません。ただし、一般的に『好循環』がホワイト企業の基礎にあり、『悪循環』がブラック企業の温床となるのは事実です」

Q.「勤務先はブラック企業だ」と考えている人にひと言を。

塩谷さん「以前よりは緩和されてきているとはいえ、日本はいまだに終身雇用の風潮が根強く、海外と比べると転職市場の規模は小さいのが現状です。ただし、近年の働き方改革などの流れから、『無理やり残業させる』というスタンスは対外的な面を考慮しても緩やかに減少していくと思われます。もしも、今の労働環境に不満や疑問があるのであれば、ご自身の仕事に対する意識や展望を見つめ直し、環境や状況の改善に向けて行動を起こしてみるのも一案ではないでしょうか」

(オトナンサー編集部)

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塩谷さやか(しおたに・さやか)

関東学院大学経済学部経営学科准教授

博士(国際経営学)、元ハーバード大学客員研究員、元日本航空国際線客室乗務員。初等科から聖心女子学院で過ごす。卒業後、日本航空に国際客室乗務員として入社。1999年フォーダム大学留学、2000年同大首席卒業、早稲田大学アジア太平洋研究科修士課程入学。02年同大MBA取得、07年同大博士号取得。近年、マサチューセッツ工科大学経営学大学院(スローンスクール)にて技術経営学修士(MOT)も取得。桜美林大学経営政策学部専任講師、同大ビジネスマネジメント学群准教授、ハーバード大学アジアセンター客員研究員などを経て、16年から関東学院大学経済学部経営学科准教授、現在に至る。日本の航空業界へ「空の活性化」を目指した政策提言を行い、民間・行政機関問わず多くの顧問や研究員、助言者として活躍する。