「ホワイト企業はブラック企業よりも少ない残業で儲かっている」投稿話題に、両者の違いとは?
マネジメント能力の「差」
Q.投稿のように、ホワイト企業は短い労働時間でも利益を上げられるものですか。
塩谷さん「労働時間の違いというよりは、両者のマネジメント能力と裁量による差が影響している可能性はあると思います。ホワイト企業は社員のために生産性を高める労働環境を整えているケースが多く、マネジメントが正常に機能していると言えます。管理の目を行き届かせ、社員のモチベーションと能力を引き出す土台を整えることは、仕事の効率化にも直結するのです。一方、ブラック企業は、年功序列などの出世システムが重視される会社も少なくなく、必ずしもマネジメント能力にたけた人材が管理を担っているとは限らないという背景もあると思います。加えて、人手不足の慢性化による影響で長時間労働が行われやすい風土が育ちやすいほか、サービス業などのようにそもそも時間を費やすこと自体が効率化につながる業態があることも無視できません。ただし、一般的に『好循環』がホワイト企業の基礎にあり、『悪循環』がブラック企業の温床となるのは事実です」
Q.「勤務先はブラック企業だ」と考えている人にひと言を。
塩谷さん「以前よりは緩和されてきているとはいえ、日本はいまだに終身雇用の風潮が根強く、海外と比べると転職市場の規模は小さいのが現状です。ただし、近年の働き方改革などの流れから、『無理やり残業させる』というスタンスは対外的な面を考慮しても緩やかに減少していくと思われます。もしも、今の労働環境に不満や疑問があるのであれば、ご自身の仕事に対する意識や展望を見つめ直し、環境や状況の改善に向けて行動を起こしてみるのも一案ではないでしょうか」
(オトナンサー編集部)
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