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「飼い猫がしていた『ゆっくりまばたき』が『大好き』の意味と知り感動」投稿が話題に…実際はどうなの?

猫の「ゆっくりとしたまばたき」が「大好き」を意味することを知って感動した、という趣旨の投稿がSNS上で話題になりました。実際のところはどうなのか、「猫の専門家」に聞くと――。

猫のまばたきは「大好き」の意味?

「猫の仕草や行動の意味」に関する投稿が先日、SNS上で話題になりました。投稿者は、飼っていた猫が生前よくしていたという「ゆっくりまばたきをする」仕草が「大好き」を意味することを初めて知り「幸せに暮らしてくれてたのかずっと気になってたんですが、少し救われた気がした」とのこと。これを受けて、「号泣」「昔飼ってた猫もこれやってくれてた!」「実家の愛犬もしてくれるよ」「人間も猫に対してこれやると愛情が伝わるらしい」など、さまざまな声が上がりました。

 猫のゆっくりとしたまばたきは本当に「大好き」を意味するのでしょうか。オトナンサー編集部では、猫の生態に詳しい東京農業大学農学部の内山秀彦准教授(ヒトと動物の関係学/動物行動学)に聞きました。

「敵意はない」「仲良くしよう」の表れ

Q.猫にとって「目」のコミュニケーションとはどのようなものでしょうか。

内山さん「人間同士の関係において、見つめ合うことは重要なコミュニケーションです。しかし、猫をはじめとする動物にとって、長時間の凝視は相手への威嚇(いかく)を意味する行為。すなわち、ゆっくりとまばたきをすることは、攻撃的な凝視をやめて、相手を安心させることにつながります」

Q.ゆっくりとまばたきをすることが「大好き」を意味するのは事実ですか。

内山さん「この時、猫は『大好き!』というよりは『あなたに敵意はないよ。仲良くしようよ』と言っていると取れるでしょう。重要なのは瞳孔の大きさです。瞳孔は、周囲の明るさによって大きさが変わりますが、明るさにそぐわない大きく開いた瞳孔は『恐れ』や『興奮』を示します。一方、室内などそこまで明るくない空間にもかかわらず、瞳孔が細い縦線のようになっている場合は『機嫌の悪さ』や『自己主張』を示しています。両者の中間というべき自然な大きさの瞳孔が、猫が友好的でリラックスした状態です。そして、うっとりと見つめるように、ゆっくりとしたまばたきをします」

Q.この行動は、どんな種類の猫にも見られるのでしょうか。また、猫以外のペットも同じ仕草をしますか。

内山さん「これはイエネコ(Felis silvestris catus)が見せるボディーランゲージであるため、基本的にどのような種類の猫でも同様の仕草をするはずです。犬も同様に、いわゆる威嚇を断ち切る意味でゆっくりとまばたきをします。犬の場合、その他の表情が猫よりも豊かであり、アイコンタクトが人との重要なコミュニケーション要素を持つので、犬の方がわかりやすいかもしれません」

Q.逆に、人間が猫にこの仕草をしても愛情が伝わるのでしょうか。

内山さん「猫は人間が示すボディーランゲージにもとても敏感で、会う人によって適応的な行動をします。たとえば、猫が嫌いな人を瞬時に理解すると、近づこうとも、目を合わせようともしません。おそらく、人の緊張した態度や凝視、不安そうなまなざしを向けるといった態度で即座に理解しているのだと思います。凝視せず、うっとりと見つめるのは『怒ってないよ』と猫に伝える手段として十分有効です。このように猫は、相手の仕草を読み取って自分の態度を変えていく、高い認知能力と学習能力を持っています。従って、ゆっくりとしたまばたきを含んだ『うっとり見つめ』をお互いに交わすことが、やがて飼い主さんと飼い猫の友情の証しになっていくと考えられます」

Q.その他、猫が飼い主に愛情を示す行動にはどのようなものがありますか。

内山さん「より積極的な友好性を示しているのは、しっぽを高く上げて近づいてくるというもの。この状態から体をこすり付けてきたら、飼い主に心を許したリラックス状態です。まさに『大好き!!』と言っているに等しいでしょう。動物とのコミュニケーションは、目のほかに耳や口、しっぽ、姿勢など顔を中心とした全身の動きで判断するものですが、飼っていればおのずとわかるようになりますし、おそらく飼い主さんのその判断は正しいと思われます」

(オトナンサー編集部)