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落ち込んだとき、善意ある人のポジティブな言葉で傷ついた経験ないですか? 「その通りです」

落ち込んでいるときにかけられたさまざまな言葉を描いた漫画が話題に。落ち込んでいるとき、よかれと思ってポジティブな言葉で励ましてくれる人がいますが…。

漫画「口は災の元」のカット=kii(kiieverydaydiary)さん提供
漫画「口は災の元」のカット=kii(kiieverydaydiary)さん提供

 落ち込んでいるときにかけられたさまざまな言葉を描いた漫画「口は災いの元」がSNS上で話題となっています。HSP(非常に繊細な気質の持ち主)である女性。落ち込んでいるとき、よかれと思ってポジティブな言葉で励ましてくれる人がいますが、それらの言葉は…という内容で「その通りです」「共感しかないです」「あるあるですね」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

優しい言葉に深く傷つくことも

 この漫画を描いたのは、kii(ペンネーム)さん(40代)です。イラストレーターとして活動しており、インスタグラムでは日々起った出来事や生き方、考え方などを漫画にして投稿しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

kiiさん「うつになり、人生のどん底って感じだった1年半前に始めました。うつの回復や自己成長のためにはアウトプットがとても大切だと知り、その手段としてイラストを描いて、自分の気持ちをインスタに投稿するようになりました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

kiiさん「優しかったり、ポジティブに感じたりする言葉を言われても、人によっては傷つくことも多いってことを表現したかったからです。とげのある言葉で傷つくより、ポジティブな言葉の方が深い傷になることもあるので、私も言葉には気を付けなきゃ!って思いながら描きました」

Q.これらの言葉は実際にkiiさんがかけられたものですか。

kiiさん「そうです。私はHSP体質で繊細なところがあって、こんな感じの言葉に傷ついて、いつまでも引きずってしまうところがあるのですが、本当は言い返したりしたいけれど言えない心の中の言葉を描いてみました」

Q.かけてもらった言葉で前向きになれたこともあったのでしょうか。

kiiさん「『他人の言うことなんて全て無視しろ。だけど自分との約束は必ず守れ!』です。私は自分の軸がブレやすく、他人の意見に流されやすいのですが、この言葉をかけてもらって心に響き、頻繁に思い出すことで気持ちが強くなれている感じがあります」

Q.もし、kiiさんが相談される立場だったら、どのような言葉をかけてあげたいですか。

kiiさん「みんなそれぞれ、『楽しい』って言葉に出して言うことがあると思います。悩みの解決策を探すのではなく、『楽しい』ことに集中して気を紛らわすって大切だと思います。一度は大きくくじけてしまった私ですが、それは決して悪いことではないと今は思えます。挫折経験は、次に向かって頑張ろうというバネに必ずなると信じて一緒に頑張りませんか」

Q.落ち込んだときや気持ちが沈んだときは、どのように対処されているのでしょうか。

kiiさん「五感を研ぎ澄ますことに集中しています。お気に入りの音楽を聴きながら、アロマをたいて、きれいな空を見上げて、おいしいもの食べながら、愛猫ネロを抱きしめめでる。そんな時間を過ごしていると、悩みがちっぽけに感じたり、まだ頑張れるぞ!って思えたりします」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

kiiさん「『私も同じこと言われたことあります!』なんて感じの共感意見をもらいました。私が吐き出した心の声でクスッと笑ってもらったり、心が軽くなったというコメントをたくさんもらったりして、うれしかったです」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

kiiさん「見てくれる人の心が解放されるようなさりげない日常の一コマをイラストにして、インスタを続けながら、似顔絵、雑誌やウェブメディアの挿絵など幅広くイラストのお仕事を増やしていきたいと思っています」

(オトナンサー編集部)

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