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川栄、前田ら兼業のAKBと辻、松浦ら専業のハロプロ 結婚後の違いの理由はプロデューサー

ハロプロ出身者の「おかん的なよさ」

 一方、ハロプロのつんく♂さんは、そういうルールをつくりませんでした。前出の藤本さんや矢口真里さんのように、異性関係によってモー娘。のリーダーをやめた人もいますが、藤本さんについてはどこか、「寿退職」的な雰囲気も感じさせたものです。

 また、彼が手がけたモー娘。のヒット曲には「ふるさと」「ハッピーサマーウェディング」「ザ☆ピ~ス!」といった、家族の素晴らしさが描かれたものも目立ちます。結婚や出産によって生まれる家族の絆、そういうものを愛する彼の方向性はオーディションでの人選にも反映され、メンバーの精神面にも影響をもたらしたはずです。

 そんなつんく♂さんが女性の魅力について語り尽くした「LOVE論」(2000年、新潮社)に「おかんな女」という項目があります。そこで彼は「男がおかんに甘えたいっていう欲求」は「もう本能に近い」「母親的要素は、絶対モテる要素のひとつ」だとして、こう言っています。

「結婚して家庭を築くってことを考えるときには、見た目のかわいさよりも、おかん的なよさのほうが、大きなポイントになると思う」

 彼が選び、育てたハロプロ出身者には、この「おかん的なよさ」が豊かなタイプが多いのでしょう。それが卒業後の生き方にも表れているわけです。

 もちろん、これはどちらのタイプがいい悪いという話ではありません。ただ、いずれにせよ、結婚や出産は女性にとって人生の一大事です。前田敦子さんもこんな発言をしています。

「いま、自分が母になることができて思うんですが、子どもが『そうさせてくれているな』って思うことはたくさんあります。子どもの存在がなかったときには想像することもできないような、たくさんの感情を与えてくれるから」(「Ray web」2019年9月18日配信)

 この「感情」が新たな魅力の源泉にもなるのでしょう。一見、休業前と変わらない印象の川栄さんもまた、そうであるはず。結婚・出産を経た彼女たちの“変化”にも注目して、さらなる活躍を期待したいものです。

(作家・芸能評論家 宝泉薫)

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宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

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