オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

妹は褒められて…なぜ大きくなったら褒められないの?と泣く息子の漫画が「切ない」

息子が突然、涙を流した出来事を描いた漫画が話題に。2歳の娘を「トイレができてえらいね!」と褒める母。すると、それを見ていた4歳の息子が…。

息子が突然、涙を流した出来事を描いた漫画のカット=さやけん(saya_ken2)さん提供
息子が突然、涙を流した出来事を描いた漫画のカット=さやけん(saya_ken2)さん提供

 息子が突然、涙を流した出来事を描いた漫画がSNS上で話題となっています。2歳の娘を「トイレができてえらいね!」と褒める母。すると、それを見ていた4歳の息子が「なんでぼくのことは褒めてくれないの?」と泣きながら訴えてきて…という内容で、「切ない…」「考えさせられます」「息子くんに伝わってよかった」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

驚きと同時に、心に刺さり…

 この漫画を描いたのは、グラフィックデザイナー兼イラストレーターのさやけん(ペンネーム)さんです。インスタグラムブログツイッターで育児漫画を発表しています。また、インスタグラムでは別アカウントで創作漫画「じーまにあ」を連載しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

さやけんさん「漫画自体は、インスタグラムを始める前から仕事の合間に手帳やノートの端っこなどに、絵日記のように描いていました。2018年から、仕事でインスタグラムを使うようになり、使い方を覚えるために同時に自身のアカウントを作り、何となく手描きの漫画を載せ始めました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

さやけんさん「このときは怒っているわけでもなく、楽しい時間だったはずなのに、突然息子が泣き出して訴えてきたことに驚いて、同時にとても心に刺さりました。漫画に描いて、覚えておきたいと思ったからです」

Q.実際、息子さんを褒める回数は減っていたのでしょうか。

さやけんさん「下の子が生まれるまでは、『かわいい』『だいすき』『生きてるだけでえらい! すごい』と1日に何度も言っていたので、それを思うと随分減っていたと思います。同時に、やはり怒ることも増えていました」

Q.息子さんの訴えを聞いて、どのようなお気持ちでしたか。

さやけんさん「普段は本当にやんちゃで好奇心旺盛で、よく笑ってよく泣く、行き当たりばったりな子だと思っていたので、そんなに深く考えているとは思っておらず、とても驚いたのを覚えています。どうにかして、傷ついた気持ちを癒やして笑わせてあげなきゃ!と必死になりました」

Q.この後、息子さんを褒めたり、かわいがったりすることを意識するようになったのでしょうか。

さやけんさん「褒めるときはオーバーに、抱き上げて高い高いしながらグルグル回ったりして褒めるようになりました。息子には、『ちゃんとお母さんたちは息子のことを褒めるんだよ。そりゃ悪いことしたらめっちゃ叱るけれどね』と伝えています。くっつきたがったら、嫌がるくらいベタベタします。そして、最終的には逃げられます(笑)」

Q.このエピソードについて、他のご家族とも共有しましたか。

さやけんさん「夫に即メールしました。こんなことを考えていたらしいんだよと。もっとかわいがってあげないとね、今日は仕事から帰ったらいっぱい抱きしめると話しました」

Q.きょうだい育児の難しさについて、思うところはありますか。

さやけんさん「基本的には、いいところしか考えません。けんかはしますし、お互い我慢することも多いですが、『もう嫌い!』と言い合うたびに『じゃあ、お兄ちゃん(妹)と別々に暮らす方がいいの?』と聞くと、絶対嫌がります。そして、やっぱり『お兄ちゃん(妹)のことが大好きだから』と言い合っている2人を見ると、きょうだいっていいなあと思います。

でも、上の子として、下の子としてではなく、子ども個人として考えてあげるというのは、意識しないと結構難しいと思っています」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

さやけんさん「同じようにきょうだい育児をしている方々から、『上の子だから!と言わないようにとは思っていても、つい言ってしまうことがある』『幼い年齢でもやはり上の子に無意識に頼ってしまって、つい怒ってしまう』といったコメントを頂きました。

みんな同じように、毎日、育児に家事に仕事にと忙しい中、ついつい幼いはずの上の子に怒りすぎて、『私は何をやっているんだろう』とへこんで、『こんなんじゃだめだ』と何度も後悔したり、いろいろ工夫したりしながら育児しているのだな、うちだけじゃないんだなと思いました。

印象的だったのは、『子どもから教わることって多いですよね』というコメントでした。産んだら勝手に親になるわけではなく、子どもが親にしてくれるんだなと思いました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

さやけんさん「育児漫画だけでなく、夫婦のエピソードや日々思うこと、大失敗やトラブル、その解決方法などを、できるだけおおらか視点で、誰かに笑ってもらえたら幸せ!という思いで描いていきたいです。2020年は、自分の時間を計画的に使えるようになる予定なので、毎日思ったことを1コマ漫画にしてつぶやいたり、積極的に発信していけたらと思います」

(オトナンサー編集部)

【漫画】本編を読む

画像ギャラリー

コメント

1件のコメント

  1. ほめるより…「(いろいろできるようになって)ママがうれしい」の気持ちを伝えるようにしている。
    小学生になっても、ほめること(というより、感謝のきもち)しかないです。