生放送の“当日発表”に賭けるテレビ局、リスク覚悟で小バズを狙う意味
視聴者の拒絶を招く危険なフレーズ
生放送での当日発表が決まったら、制作サイドは視聴者に向けて「緊急発表!」「番組から大切なお知らせ」「今夜、出演者の誰かが結婚を発表」などのフレーズでPRを行います。
しかし、それらのフレーズに対する肝心の発表が、視聴者の期待を大きく下回ってしまうと非難必至。「大げさすぎる」「見て損した」という落胆どころか、「ひどい番組」「二度と見ない」などの拒絶を招いてしまうケースも見られます。
実際、生放送ではないものの今年、多くの人々から批判を集めてしまったのは、7月5日の「ぴったんこカン・カンスペシャル」(TBS系)。新聞のラテ欄で「安住紳一郎アナより大切なお知らせ」と記載したほか、3時間特番の終盤まで引っ張りまくって発表されたのは、「『TBS東京オリンピック2020』の総合司会を務める」という自社番宣だったのです。
生放送の当日発表に準ずるようなPRや演出を行ったことで、「安住アナもついに結婚か、それとも退社してフリーか」などの声が飛び交ったのは紛れもない事実。安住アナ自身、放送後のラジオで「そういうやり方をすると非常に信頼を失う」「本当に大事なことを伝えなきゃいけないときに耳を貸してくれなくなる」「そういうやり方はやめた方がいいと話し合っていた」と釈明する事態に追い込まれてしまいました。
上記のフレーズが切り札の一つになることは間違いありませんが、多用するほど効果は薄れ、視聴者との信頼関係は揺らいでいくでしょう。成否の鍵は、「あくまで視聴者を楽しませるための演出であり、その上で視聴率を獲得できたら」という視聴者ファーストの感覚が握っているのではないでしょうか。
(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)
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