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日本代表中継ラッシュ! “スポーツの秋”に賭ける民放各局の狙いと勝算とは?

9月以降、民放各局のスポーツ中継が増えます。フジテレビと日本テレビはプライム帯に生中継を行う熱の入れようですが、勝算はあるのでしょうか。

桃田賢斗選手、世界バドミントン男子シングルス決勝(2019年8月、EPA=時事)
桃田賢斗選手、世界バドミントン男子シングルス決勝(2019年8月、EPA=時事)

 8月最終週に「2019世界柔道」(フジテレビ系)がプライム帯(午後7~11時)で連日放送され、9月1日に最終日を迎えますが、9月に入ると民放各局のスポーツ中継が一気に加速します。

 まず、フジテレビが「ワールドカップバレーボール2019」を9月14日から10月15日までの22日間にわたって午後7時から日本代表戦を生中継。さらに、「バスケットボールワールドカップ2019」を9月1、3、5日に日本代表戦を生中継(9月1、3日はBSフジ)。日本が勝ち抜けば、その先の生中継もあるでしょう。

 日本テレビは「ラグビーワールドカップ2019」を9月20日の開幕戦から日本代表戦だけではなく各国の試合を含め、11月2日の決勝戦まで19試合を生中継。また、大会前の9月6日には壮行試合として「日本vs南アフリカ」も生中継されます。

 TBSは「世界陸上2019」を9月27日から10月6日まで10日間連続で生中継。12大会連続で織田裕二さんと中井美穂さんがメインキャスターを務めるほか、BS TBSで連日ハイライト番組を放送します。

 テレビ朝日は「U18野球ワールドカップ2019」を8月30日から9月8日まで中継。基本的にBS朝日での放送ではあるものの、日本代表の戦況に応じてスーパーラウンドの第3戦、3位決定戦、決勝戦はテレビ朝日での放送が有力視されています。

 特に、フジテレビと日本テレビは重要なプライム帯に高視聴率のレギュラー番組を休んでまで生中継するなど、まさに必勝態勢。それぞれ、どんな勝算と不安があるのでしょうか。

東京五輪を前に日本人選手が大躍進

 最大の勝算は、東京五輪・パラリンピックがいよいよ来年に迫り、人々の間にスポーツ熱が高まっていること。2020年7月24日の開会式まで300日あまりとなり、観戦チケットの追加抽選に応募が殺到するなど関心は高まる一方であり、「今なら見てもらえるはず」という確信が透けて見えます。

 また、世界での戦いは東京五輪本番の試金石になるとともに、国内の代表枠争いが盛り上がっているのもポイントの一つ。「日本は世界の中でどれくらいの位置にいるのか」「代表を巡る日本人同士の戦いを見たい」「今のうちから見て選手を覚えておこう」という視聴者が見込める時期とも言えます。

 その意味で見逃せないのは、五輪に向けて各競技の日本人選手が強くなっていること。実際、「世界バドミントン2019」で桃田賢斗選手、奥原希望選手、永原和可那選手・松本麻佑選手ペアらが決勝進出を決めたとき、テレビ朝日が急きょ、8月25日の特番枠「日曜プライム帯」で放送したように、メダル争いに絡む選手が増えていることが民放各局のスポーツ中継を増やしているのです。

 その他、民放各局のスポーツ中継が増えているのは、「東京五輪前に、各選手と関係者、各協会、解説者などとのパイプを作っておきたい」「放送の技術的なリハーサルやトライをするチャンスの時期」などの理由が挙げられます。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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