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コスプレを次々こなす深田恭子、“イジられる”プロフェッショナルの真骨頂

「ルパンの娘」のスーツ姿にCMでのコスプレと今夏、最もイジられている女優の深田恭子さん。こうしたオファーが引きも切らない理由とは――。

深田恭子さん(2018年10月、時事)
深田恭子さん(2018年10月、時事)

 7月に入ってから、最も話題を集めている女優といえば、深田恭子さん。

 新ドラマ「ルパンの娘」(フジテレビ系)で、名作漫画「キャッツアイ」を思わせるタイトな泥棒スーツ姿で登場したと思ったら、数日後には「東京ガス」のCMで「うる星やつら」のラムちゃんコスプレを披露しました。

 ネット上には、2つの衣装を着た深田さん関連の記事があふれているほか、「ルパンの娘」の番宣で連日バラエティーに出演し、そこでの振る舞いも格好のネタになっています。さらに、同作の前番組「シンソウ坂上」にも出演し、坂上忍さんの鋭い質問に「毎日、明日が不安です」と漏らすなど、イメージと異なる姿が驚きをもって伝えられました。

 ドラマ、バラエティー、CM…と、実績十分であり、現在36歳の主演女優にしては、やけにイジられているのです。案の定、ネット上には、「ハラスメントすれすれ」という声も上がっていましたが、なぜ深田さんにはこうしたオファーが続くのでしょうか。

番宣のクイズ番組でも恥ずかしい誤答

 テレビ、雑誌、ウェブメディア、CMなど「メディアに関わる人々が深田さんのキャラクターを面白がっている」のは間違いないでしょう。中でも目立つのは、作り手のS目線。前述したコスプレを筆頭に、深田さんをMに見立てた構成・演出を仕掛けています。

 例えば、深田さんは番宣で「ネプリーグ」「クイズ!ドレミファドンSP」(フジテレビ系)という2つのクイズ番組に出演しました。主演女優の中には、「恥をかきたくない」という理由でクイズ番組を避ける人も少なくない中、深田さんは恥を恐れず参戦。しかし、作り手から、一般常識問題や出演作に関わる問題を仕掛けられ、恥ずかしい誤答をしてしまうシーンがありました。

 そのたびに恥ずかしそうな顔で、懸命に弁解しようとしたり、笑って乗り切ろうとしたり…深田さんはバラエティーだけでなく、あらゆる撮影現場で、そんな正直でうそのなさそうなリアクションを引き出されているようです。

「シンソウ坂上」では、初めてヒロインを演じたドラマ「神様、もう少しだけ」(フジテレビ系)での1分10秒に及ぶキスシーンが紹介されました。同作は深田さんが15歳の時に撮影された作品であり、しかもHIVに感染する女子高生という難役。その後も映画「下妻物語」や「ヤッターマン」でのコスプレのような衣装を筆頭に、深田さんは「20年以上イジられ続けてきた」という揺るぎない実績があるのです。

 今夏は立て続けにコスプレのような姿が続き、バラエティーでも恥ずかしがらせるような演出があったため、「ハラスメントすれすれ」という声が上がっていますが、深田さんはその道のプロフェッショナル。作り手たちは、「安心してオファーを出し、撮影現場では配慮しつつイジっている」のでハラスメントの不安はないでしょう。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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