玉城ティナ、蜷川実花監督の“心中できる”発言は「大事に自分の中にある言葉」
映画「Diner ダイナー」でオオバカナコを演じた玉城ティナさんにインタビュー。出演が決まった時の気持ちや、蜷川実花監督と話したことなどを聞きました。

映画「Diner ダイナー」でオオバカナコを演じた玉城ティナさん。同作は、日給30万円の怪しいアルバイトに手を出したばかりに闇の組織に身売りされてしまったオオバカナコ(玉城さん)が、殺し屋専用のレストラン「ダイナー(食堂)」のオーナー・ボンペロ(藤原竜也さん)に売られ、ウエートレスとして働くことになります。
ダイナーには、全身傷だらけの殺し屋スキン(窪田正孝さん)や、子どもの姿をしたサイコキラーのキッド(本郷奏多さん)ら一癖も二癖もある殺し屋が訪れ…平山夢明さんの小説の映画化作品です。
オトナンサー編集部では、玉城さんにインタビューを実施。出演が決まった時の気持ち、蜷川実花監督と話したことなどを聞きました。
ページをめくるたびに衝撃受けた
Q.出演が決まった時の率直な感想は。
玉城さん(以下敬称略)「オファーを頂くまで原作を読んだことがなかったのですが、ページをめくるたびに衝撃を受けました。カナコという役ができるのかという不安がありましたが、蜷川さんが私を選んでくれたことがうれしかったですし、蜷川作品の一員になれることに興奮しました」
Q.「玉城さんとなら心中できる」と蜷川監督は語っていました。
玉城「撮影中もそうですが、今も大事に自分の中にある言葉ですし、そういうふうに言ってくれる方と信頼関係を築けて、映画が作れたことをうれしく思っています」
Q.登場人物のほとんどが殺し屋で、オオバカナコだけが一般人です。難しかったことは。
玉城「毎日が対決のようでした。勝ち負けじゃないですが殺し屋の中で殺されないように、キャラクターとしてその場にいるよう心がけていました」
Q.カナコと似ている部分はありますか。
玉城「ふさぎ込んでいるようなところは少なからず持っています。自分のそういう部分とそうじゃない部分を行き来しながら表現できるのが強みだと思っています。それを体現しているキャラクターだと思いましたし、誰にも必要とされていないというのは、誰しもが一度は思ったことがあるんじゃないかなと思いました。どうしても、他人任せだったり、自分でかじを取れない時期もあったのかなと思います」
Q.蜷川監督とはどんな話をされましたか。
玉城「インする前にオオバカナコのキャラクター像を2人で共有して、現場では声のトーンや目線を調整しました。監督の表情や雰囲気で、少しずつ演技を修正していきました。言葉で聞くこともありましたが、女性同士ならではのフィーリングも積み重ねていきました。大事なシーンに入る前に監督がハグしてくれたことがあり、その重みを受け止めて、芝居で返さないとと強く思いました」
Q.撮影で楽しかったこと、大変だったことを挙げてください。
玉城「楽しかったのは菊千代のシーンです。ボンベロが菊千代だけには気を許していて、ボンベロに気に入ってもらえるようにカナコも菊千代との関係を作っていくのが楽しかったです。現場には、菊千代のぬいぐるみしかなかったのですが、完成した作品では菊千代が立派に戦っているのを見られてうれしくなりました(笑)
大変だったのは、とにかく体を使っていたこと。心も頭も使いますが、肉体的にも激しい動きが幾度もあったので、大変だったといえば大変だったのかなと思いますが、その時は必要なことなので何も思いませんでした。心理的にはダイナーに初めて連れて来られて、下からボンベロを見上げた時は恐怖を感じましたし、ナイフを突きつけられるところは、素で泣きそうになりました」
Q.「きちんと自分に向き合う」というセリフはどう感じましたか。
玉城「自分自身を誰かに託したり、誰かのせいにしたくなったりすることは誰にでもあると思います。自分を変えられるのは自分だけなので、この映画を通して感じていただければと思います。私と同じくらいの世代の人も、死が近くにある環境だからこそ感じることがあると思っていただけるとうれしいですね」
Q.藤原竜也さんとの共演はいかがでしたか。
玉城「どういう方だろうとドキドキしていました。本番中も心配して声をかけてくださることもあり、それをナチュラルにやっている優しい方だと思いました。撮影が始まると、ボンベロに一瞬で入ってしまうすごさに圧倒されましたし、カットがかかると、いつもの藤原さんに戻る。すごいスイッチを持っていらっしゃると思いました」
Q.4月の目標は「自炊をすること」とインスタグラムで書かれていました。
玉城「思ったよりできなかったのですが、自炊しながらアップしていました。昨日も自炊しました。手を抜いても作った方がいいなと思いました。おみそ汁がしみます(笑)」
Q.得意料理は何ですか。
玉城「和食ばかりで、野菜中心です。炭水化物を取らないので、おみそ汁とお肉を使った副菜やお豆腐は必ず食べます。納豆も取るようにしています。冷蔵庫に残っている野菜やお肉、お魚を見てメニューを決めています」
映画「Diner ダイナー」は7月5日から全国公開。
(オトナンサー編集部)
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