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「このマンガがすごい!2017」オトコ編1位は「中間管理録トネガワ」 中間管理職の悲哀と気合描く

「ビジネス上のヒント」もちりばめられている

 栗俣さんは同作について「ビジネス書としても評価できる」と指摘します。第4巻では、これまで黒服だった部下たちにファッションブームが到来。バラバラな格好で出勤するようになった彼らは、利根川から注意されても「スーツ、ネクタイ、サングラス、革靴を全て黒で統一する」という規則を破っていないと主張します。

「部下が自分の言うことを聞かない――こういった経験は、中間管理職ならば一度はしているはず。そんな時、頭ごなしに怒ってしまったり、どう注意してよいのかわからず放置してしまった経験もあるのでは」

 これに対して利根川は、彼らの行いを「中学生の言い訳レベル」と見つつ、一理あると認めます。そして「ルールうんぬんではなく、洒脱(しゃだつ)ではない」と厳しく一喝。そこから、利根川は本当のスーツの着こなしを彼らに説明し始めます。

「ぶかぶかのジャケットやスラックス、そんなものは大人の着こなしではない。基本は、テーラーで自分に合った形に仕上げてもらうこと」。利根川はその場でポケットチーフを使うことで、さりげないおしゃれを演出。奇抜なことがおしゃれだと思っていた部下たちは、自分が服に「着られていた」ことに気づきます。「カイジネタの笑いやあるあるネタだけでなく、こういったビジネス上のヒントも多くちりばめられているのです」。

 栗俣さんが働くTSUTAYA三軒茶屋店では、20~30代の若者も同作を買っていくそう。「三国志やキングダムのように、年代を超えて共通の話題となる作品に育って行くのではないでしょうか。今のうちに読んでおくべきです」。

(オトナンサー編集部)

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栗俣力也(くりまた・りきや)

TSUTAYA三軒茶屋店スタッフ

絶版書の復刊や、著者を発掘して書籍化、コミック化するなど、数多くの仕掛け販売を行い、ヒット本を発掘することで知られる、TSUTAYA三軒茶屋店スタッフ。「仕掛け番長」とも呼ばれ、「日経トレンディ」の仕事人の連載などにも登場。単なる書店員としての目線ではなく、企画力あるお店作りにも定評がある。

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