お正月に読みたい漫画はこれだ! 近未来版ブラック・ジャック「AIの遺電子」
2016年もあと残りわずか。年末年始はどこかに外出でしょうか、それとも家でゆっくりでしょうか。今回は移動中や暇な時間に読めるオススメの漫画をご紹介します。
2016年も残すところあとわずかとなりました。年末年始は自宅や帰省先でのんびり過ごす人、旅行に出かける人などさまざまでしょう。
ちょっとした移動中や手の空いた時間に読めるオススメの漫画が知りたい――。そんな人のために、「マンガ担当書店員が全力で薦める本当にすごいマンガはこれだ!」の著書があり、名作漫画の復刊なども手掛ける、TSUTAYA三軒茶屋店の名物スタッフ・栗俣力也さんから「のんびりした年の瀬にじっくり読める」漫画を教えてもらいました。
「感情の押し売りがなく感動が大きい」
今回、栗俣さんが紹介してくれたのは「週刊少年チャンピオン」に連載中のSF医療漫画「AIの遺電子」です。「近未来版『ブラック・ジャック』と称され、新聞や雑誌など各紙に掲載され話題を呼んでいます。戦後の漫画界をけん引した手塚治虫さんの作品と比較される評価にふさわしく、読者の期待を絶対に裏切らない作品です」。
物語の舞台は、人間とヒューマノイド(人型ロボット)が共存する近未来社会。人間と同レベルの知性や感情を有するヒューマノイドは人口の10%程度のマイノリティーですが、家庭を持つなど人間同様の生活を送っています。
主人公の須堂は、そんな彼らをクライアントに持つ専門医。同作は須堂のもとを訪れるヒューマノイドと、社会のマジョリティーである人間とのコミュニケーションを一話読み切り形式で淡々と描きます。
「近年、泣きどころや笑いどころがはっきりしている作品が多い中、本作は分かりやすい表現をあえて避けています」と栗俣さん。人間とヒューマノイドとのコミュニケーションを通して、読者にはいくつもの「考える機会」が投げかけられます。自分にとって、親子とは、親友とは、恋人とはどういった存在なのか――。
「感情の押し売りをしないからこそ、読者の得る感動が大きいのでしょう」
コメント