昨年は冷凍食品も 無印良品が「溶けにくいアイス」投入で狙うもの
良品計画が「溶けにくいアイス」を発売します。昨秋、冷凍食品を発売するなど食品分野の強化に取り組んでいる無印。その狙いとは。

東京・銀座に4月4日、ホテル併設型の世界旗艦店「無印良品 銀座」を開業、話題となった良品計画(東京都豊島区)ですが、4月27日には「溶けにくいアイス」を発売します。昨年9月には冷凍食品を発売するなど、食品分野の強化に取り組んでいる無印。果たしてその狙いとは――。
買い物後、外で食べられるアイスを
良品計画が4月27日に発売するのは、「溶けにくいアイス ピーチ&パイン(1個)」「溶けにくいアイス マンゴー&キウイ(1個)」(いずれも税込み190円)です。60店舗で取り扱います。なお、「無印良品 銀座」では4日から先行販売を行っています。
食品部の担当者に聞きました。
Q.なぜ、溶けにくいアイスを発売するのでしょうか。
担当者「暑くなる季節に向け、アイス商品の強化を図りました。ただのアイスではなく、何か付加価値をつけられないかと思案していたところ、『お客さまが買い物後に、外でも食べられるようなアイス』を着想しました。そこで、『溶けにくい』という部分に重きを置いて開発しました」
Q.溶けにくい仕組みは。
担当者「そもそもアイスは、牛乳やクリームの油脂分、氷の粒、空気の泡の3つから構成されています。温度が上がると、氷の結晶が溶けて水になり、それに合わせて空気の泡もつぶれ、油脂分も一緒に溶けてしまい、結果的に原形をとどめなくなります。
今回の商品は、イチゴから抽出したポリフェノールを水に配合しています。ポリフェノールが水分と油脂分を橋渡しする形となり、水分と空気の細かな泡を、油脂が膜状に取り囲む状態となります。この状態で凍らせることによって、温度が上がっても水は油脂分に取り囲まれているので離水せず、時間がたっても形崩れしにくくなります」
Q.常温でどれくらいもちますか。
担当者「常温に置いてから約30分は溶けません」
Q.開発で苦労したこと、工夫したことは。
担当者「『溶けにくいから、変なものが入っているかもしれない』というマイナスイメージを味や見た目でどう払拭(ふっしょく)するかを考えました。フルーツのピューレを2種類練りこむことで味を追求するとともに、見た目を華やかにしました。『溶けにくい』ということを売り場でうまくお客さまに伝えられるかが、販売を伸ばしていく上でのポイントだと考えております」
Q.購入可能店舗を公表する予定はありますか。冷凍食品の販売店舗で取り扱うのでしょうか。
担当者「販売が始まりましたら、『無印良品』の店舗情報で取り扱いの確認が可能です。冷凍食品取扱店舗とは、必ずしも同じではありません」
Q.先行販売している「溶けにくいアイス」の販売状況は。
担当者「お客さまからは好評の声を頂いております」
Q.今後、アイスの種類を増やす予定は。
担当者「今のところ、予定しておりません」
(オトナンサー編集部)
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