トラヴィス・ナイト監督、バンブルビーはトランスフォーマーファンへのラブレター
映画「バンブルビー」のトラヴィス・ナイト監督にインタビュー。日本とは何か、トランスフォーマーのデザインなどについて聞きました。

映画「バンブルビー」でメガホンを取ったトラヴィス・ナイト監督。同作は、父親を亡くした悲しみから立ち直れない少女チャーリー(ヘイリー・スタインフェルドさん)が、18歳の誕生日に黄色い車を見つけます。車は突然、人型の地球外生命体に変形し、驚くチャーリーを前に逃げ惑う地球外生命体は何かにおびえています。チャーリーは、地球外生命体をバンブルビーと名付けてかくまいますが…大ヒットSF映画「トランスフォーマー」シリーズの人気キャラクター、バンブルビーが主役の映画です。
オトナンサー編集部では、ナイト監督にインタビューを実施。親日家のナイト監督にとって日本とは何か、トランスフォーマーのデザイン、クリエイターへのアドバイスなどについて聞きました。
10代の私が見たいと思った作品
Q.前作「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」は日本へのラブレターでした。バンブルビーは、トランスフォーマーファン、特に1作目「トランスフォーマー」のファンへのラブレターでしょうか。
ナイト監督(以下敬称略)「まさにそうです。子どもの頃、トランスフォーマーのアニメが初めて放送され、見て育ちました。キャラクターたちが大好きでインスピレーションを受けています。今回の作品には、驚きや感動、発見、感情移入できる部分を入れたいと思いました」
Q.「KUBO」は日本が舞台の物語で、トランスフォーマーも日本で生まれました。両方に関わることになったのは偶然でしょうか。あなたにとって日本とは。
ナイト「私の家族は全員、日本に影響されています。父は仕事で日本に行くことがあり、私もついて日本に来ました。日本の建物や音楽、食べ物、漫画などは、これまでに私が見てきたものと全然違いました。トランスフォーマーも日本で生まれて、『KUBO』は日本を舞台にしているので偶然ではないと思っています」
Q.トランスフォーマーのデザインが、一番最初のアニメシリーズのデザインに寄せられていました。監督が当時の影響を受けているからでしょうか。
ナイト「10年間の映画『トランスフォーマー』シリーズはマイケル・ベイの感性で作られていました。私がやるとしたら、オリジナルのものをやりたいと思っていました。デザインもトランスフォーマー創成期のシンプルなものを大きなスクリーンで写したかったのです。10代の私が見たいと思った作品こそが今回の作品です」
Q.スティーブン・スピルバーグとベイから受け継いだものはありますか。
ナイト「1980年代に育っているので、一番影響を受けたのはスピルバーグ作品で『E.T.』は初めて泣いた映画です。『E.T.』には冒険もありましたが、中心にハートがあると思います。『トランスフォーマー』には2人の父親がいると思っていて、一人はベイ、もう一人はスピルバーグです。ベイのアクション、スピルバーグのハートを織り交ぜつつ、私のタッチを加えた作品を作ろうと思いました」
Q.仕事を頑張っている人、クリエイターに、「大事にしている心構え」をアドバイスしてください。
ナイト「私自身、クリエイターとして『新しいことに挑戦したい』と思っています。同じことをやっていると成長がないと思います。常に居心地が悪い立場、ただ、その中でも、ワクワクするようなところに身を置きたいと思っています。
『トランスフォーマー』はやったことがないジャンルの映画でした。しかし、バンブルビーというキャラクターはアニメから慣れ親しんだ部分もありました。この手の大きいフランチャイズ映画は初めてです。ただ、フランチャイズ映画に私の哲学を入れられたら素晴らしい作品になると思いました」
Q.ベイやスピルバーグからアドバイスはありましたか。
ナイト「スピルバーグはたくさんの映画を作っていて、たくさんのインスピレーションを受けているので、それがアドバイスでした。ベイからは意味深いアドバイスを受けました。彼が若い頃、ジェリー・ブラッカイマーから贈られた言葉で『映画は君のものだから、映画を守りなさい。いろいろな人がいろいろ言ってきて、流されそうになると思う。でも、あなたが映画を守らないと他の人は守ってくれない』というものです。非常にシンプルなことですが、いろいろな場面で思い出して映画を守らないとと思いました」
Q.日本の皆さんに一言お願いします。
ナイト「日本にはいろいろな影響を受けて育ったので、この映画を見て、私の日本に対する愛を感じていただけたらと思います」
映画「バンブルビー」は3月21日から先行上映、3月22日から全国公開。
(オトナンサー編集部)
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