「女子アナ退社続出」と「各局のアナ積極活用」、矛盾した現象はなぜ起こるのか
好感度の高いアナはどんどん使うべき
ただ、冒頭に書いた通り、このところ民放各局で「アナウンサーを積極活用しよう」という動きが見られます。
2月5日の「有田哲平の夢なら醒めないで」(TBS系)は、「イマドキのTBS女子アナSP」をテーマに掲げて、林みなほアナ、宇垣美里アナ、日比麻音子アナ、山本里菜アナ、良原安美アナがゲスト出演。同番組は昨年も、山形純菜アナがタレントに混じってゲスト出演していました。
2月18日の「Qさま」(テレビ朝日系)には、弘中綾香アナ、福田成美アナが解答者として出演。また、弘中アナが単独で進行役を務める「激レアさんを連れてきた。」(テレビ朝日系)が4月に深夜帯からプライム帯に昇格することが発表されました。
2月9日には、「明石家さんまのFNSアナウンサー全国一斉点検」(フジテレビ系)という、アナウンサーをフィーチャーし41人をスタジオに迎えた大型バラエティー特番を放送。2月11日の「ネプリーグ」(フジテレビ系)には永尾亜子アナと榎並大二郎アナが解答者として出演しました。
2月11日には、「今だから話します! 平成最後にアスリート初告白SP」で水卜麻美アナが再現ドラマで荒川静香さんになり切るシーンが話題に。また、日本テレビは、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」で話題となっているダンス“朝礼体操”に笹崎里菜アナ、滝菜月アナ、岩田絵里奈アナ、市來玲奈アナ、青木源太アナ、上重聡アナが挑戦した動画を公開。昨秋スタートの情報番組「バゲット」もアナウンサーをメインに据えるなど、積極活用の動きが続いています。
もともと、アナウンサーは自局の社員であり、「タレントの引き立て役」というポジション。人気番組へのゲスト出演は、「タレントと同じポジションに立たせる」ということであり、「社員のクセに」「芸能人気取り」などと批判を浴びるリスクをはらんでいます。
そんな批判覚悟でアナウンサーを積極活用しているのは、「現場経験が豊富でタレントに準じるスキルやキャラを持っている」「キャスティングの経費削減ができる」などの理由があるから。もともと、アナウンサーは、一般人としての常識や感覚がある上に、メインのタレントを立てられるなど、制作サイドにとって計算できる存在。「視聴者から見て好感度の高いアナウンサーは、男女を問わずどんどん使った方がいい」というスタンスは理にかなっています。
民放各局のアナウンサーは足りなくなる?
毎年恒例の好きなアナウンサーランキングなどを見ても、「若さより安定感」「美しさより人の良さ」を好むなど、視聴者のニーズが変わりつつある中、ますます、若手・中堅アナの退社が加速する可能性もあるでしょう。
それでも、「アナウンサーが足りなくなるか」といえば、そうとは言えません。「地方局出身のアナやフリーアナを起用する」「学生時代にアナウンス技術を学んだ逸材を採用する」などで、ある程度のカバーが可能でしょう。
アナウンサーたちはどんな道を選び、民放各局はどのようにアナウンサーを活用していくのか。知名度こそあれ、私たちと同じ一般人だけに、その動向が気になってしまうのです。
(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)
コメント