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「絶対零度」に続き「SUITS」も! フジ“月9”視聴率が2期連続で10%を超えた背景

フジテレビの看板ドラマ枠“月9”が、2018年7月期「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」、10月期「SUITS/スーツ」と、2期連続で平均視聴率10%を超えました。好調の背景には、何があるのでしょうか。

沢村一樹さん(Getty Images)
沢村一樹さん(Getty Images)

 フジテレビの看板ドラマ枠“月9”。2018年7月期の「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」が10.6%、10月期の「SUITS/スーツ」が10.8%と2期連続で平均視聴率10%を超えました。月9ドラマが、2作続けて2桁を超えたのは、約3年ぶりのことです(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

フジのドラマは面白いという空気

「絶対零度」シリーズは、これまで上戸彩さんが主演を務め、未解決事件や潜入捜査をテーマにした刑事ドラマ。シーズン3の今回は、月9初主演となった沢村一樹さんが主人公を引き継ぎ、上戸さんは物語の鍵を握るキーマンとして登場しました。謎が謎を呼ぶ展開で、最終話まで安定して視聴率が推移しました。

「SUITS/スーツ」は、米国の大ヒットドラマ「SUITS」を原作に、織田裕二さんが主演を務めた弁護士ドラマ。エリート弁護士と天才フリーターという凸凹な二人がバディを組み、難解な訴訟に挑みました。織田さんと鈴木保奈美さんが、「東京ラブストーリー」以来27年ぶりに共演したことでも注目され、初回視聴率は14.2%を記録しました。

 コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんは、「絶対零度」「SUITS/スーツ」が10%を超えた理由は2つあると指摘します。

「一つはドラマのジャンルです。刑事ドラマ、弁護士ドラマ、医療ドラマは視聴率が取りやすく、『絶対零度』は刑事ドラマ、『SUITS/スーツ』は弁護士ドラマでした。一話完結だったことも見やすさにつながりました」

「もう一つは、昨年ごろからフジテレビのドラマは面白いという空気ができ上がってきていること。月9では、2017年夏に『コード・ブルー』がヒット。また、今年の『海月姫』はSNSの動きが大変活発でした。木曜10時枠の木曜劇場も、『刑事ゆがみ』『隣の家族は青く見える』『モンテ・クリスト伯』などが、ドラマファンに高く評価されています」

 今年の月9は、1月期「海月姫」が過去最低の6.1%、4月期「コンフィデンスマンJP」も8.9%と平均視聴率こそ低調だったものの、木村さんは「作品の評価は高かった」と指摘します。

「『海月姫』も『コンフィデンスマンJP』も、他局ではなかなか作れないジャンルで絶賛されていました。ただ単に、録画や配信での視聴が多かっただけで、リアルタイム視聴につながらなかったに過ぎません」

 その意味で、「絶対零度」「SUITS/スーツ」の“成功”は、内容の評価のみならず、視聴率も狙いにいった結果だといいます。

「自局の象徴である月9で、内容の評価と視聴率のどちらも得たいというのがフジテレビの本音です。『絶対零度』『SUITS/スーツ』では、これまでのクオリティーはそのままに数字を上げる狙いがありました。沢村さんと織田さん、共に50代の俳優を主演に据えたことからも、リアルタイム視聴層をターゲットにしていることがうかがえます」

 本来の良質なクオリティーに視聴率という結果が伴ってきたといえる月9。来年1月7日には、科捜研を舞台に、現場に残された痕跡から事件の真相に迫るサスペンスドラマ「トレース~科捜研の男~」が新たにスタートします。今後も月9の動向が注目されます。

(オトナンサー編集部)

木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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