GW明け、子どもが「学校に行きたくない」と訴えた…責めちゃダメ! 親が取るべき“4つの対策”
ゴールデンウイーク明けに子どもが「学校に行きたくない」と言い出し、困ったことはありませんか。対処法について、専門家が解説します。

ゴールデンウイーク(GW)中に旅行やレジャーを楽しんだ人は多いと思います。連休明けは休み中の疲れがたまっていることが多く、無理は禁物です。
ところで、ゴールデンウイーク明けに子どもが「学校に行きたくない」と言い出すことがあります。この場合、親はどのように対応すべきなのでしょうか。また、やってはいけない行為はあるのでしょうか。今回は、1教室で1000人以上の生徒が通う学習塾で校長を務めた経験もある、脳レボ(神戸市)代表の川谷潤太さんが解説します。
登校を強制させるのはNG
ゴールデンウイークが明けると、当社に対して「うちの子、急に『学校に行きたくない』って言い出したんです…」という内容の相談が増えます。これは特別なことではなく、実は多くの子どもが感じている「心のサイン」なのです。私はこれまで多くの保護者や学校教員と関わる中で、この時期特有の子どもたちの心の動きを数多く見てきました。その背景と親としてできること、そしてやってはいけない対応について、順番に紹介します。
そもそも、なぜゴールデンウイーク明けに「学校に行きたくない」と訴える子が増えるのでしょうか。子どもが「学校に行きたくない」と感じる理由はさまざまですが、ゴールデンウイーク明けというタイミングに注目すると、次のような要因が考えられます。
■心身の疲れが一気に出やすい時期
新学期が始まり、クラス替えや担任の先生の変化、新しい友達との関係など、子どもたちは想像以上に神経を使っています。ゴールデンウイークという長期休暇で一度その緊張がほぐれたことで、心の糸がぷつんと切れたように感じてしまうことがあります。
■休みの心地よさとのギャップ
ゴールデンウイーク中は家族と過ごす時間が増え、自由に過ごせることで「学校に行く意味」を見失ってしまうこともあります。特に、人間関係や勉強にストレスを感じている子ほど、学校に戻ることへのハードルが高くなります。
■五月病のような心の不調
大人で言う「五月病」に近い状態が、子どもにも起こり得ます。「何となく元気が出ない」「朝起きるのがつらい」という身体的、心理的な反応が出てくるのです。
では、子どもが「学校に行きたくない」と訴えたとき、親はどのように対応すればよいのでしょうか。
まず大切なのは、子どもが「学校に行きたくない」と言ったことを“問題視し過ぎない”ことです。この言葉は子どもからのヘルプサイン、親にしか見せられない“素の姿”です。対応する際は次の4つのポイントを意識してください。
■まずは共感する
「そっか、行きたくないんだね」「そう思うくらい、何かつらいことがあるのかもしれないね」と、感情に寄り添う言葉掛けを心掛けましょう。“どうして?”と問い詰めるのではなく、“つらいんだね”と受け止めることが大切です。
■無理に学校に行かせようとしない
親が「とにかく行きなさい!」と登校を強制してしまうと、子どもの不安はさらに強くなります。どうしても行きたくないという場合は、まずは1日休ませて様子を見ましょう。
もし無理に学校に行かせた場合、一時的には登校できても、根本的な問題が解決されないどころか、子どもの心のダメージが蓄積してしまいます。
■話すタイミングを見計らう
本人が落ち着くのを待ち、安心できる雰囲気の中で「何がつらいのか」「どこに行きたくない気持ちがあるのか」を聞けるとベストです。
■担任やスクールカウンセラーと連携を取る
家庭だけで抱え込まず、学校側とも連携していくことで、より良い対応ができます。特に「こだわりが強い」「注意欠如」など、発達特性のあるお子さんの場合、学校側の理解や配慮が必要なケースもあります。
また、先述の子どもに登校を強制させる行為のほか、次のような対応は子どもの不安を増幅させてしまいます。
■「甘えてるんじゃないの?」という否定的な言葉を投げかける
子どもは登校できないことに本気で悩んでいる可能性があります。この一言は「もう親には頼れない」と感じさせてしまい、心を閉ざす原因となります。
■「みんな我慢して行ってるよ」と比較する
「みんな」は子どもにとって関係ありません。それよりも「子どもがどう感じているか」が大切です。
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