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【エンディングノート】“死”に備えて希望の「介護」や「資産」を記す 若くても書くメリット&注意点

高齢者が人生の終末期に迎える死に備えて、自身の希望を記す「エンディングノート」。基本的なことから、書くメリットなどについて筆者が、紹介します。

「エンディングノート」とは…
「エンディングノート」とは…

 もし、「自分の身に何かあった時に、貯金を家族に気付いてもらえるだろうか…」「認知症を発症したら、あの施設に入りたいけど、どうやって伝えたらいいの?」といった疑問や不安を抱えている人はいると思います。

 これらの不安を和らげ、自分の希望や思いを残された人たちに伝える方法の一つとして「エンディングノート」があります。エンディングノートとは周囲と意思疎通できなくなった場合に備えて、資産状況やローンの有無のほか、介護、医療、葬儀などの希望を書き留めておくノートです。

 本記事では、エンディングノートの基本、書く目的、配布している自治体などを紹介します。

エンディングノートは何のために書くのか?

 エンディングノートとは、人生を最期まで自分らしく生きるため、必要なことや考えをまとめておくノートです。

 エンディングノートは認知症などで自分の意思を言葉にできなくなったときに、介護の希望や資産状況などを家族や自分をサポートしてくれる人たちに伝えるのに役立ちます。また、この世を去った後のことについて書いておくことで、残された人は葬儀や墓など、その希望をなるべくかなえられるように動けます。

 エンディングノートの執筆はシニア世代だけではなく、20代や30代といった若い世代にもお勧めです。例えば、自分の意思や思いを事故などで伝えられなくなる可能性はゼロではありません。こうした場合、エンディングノートに自分の資産の預け先や介護の希望などについて書き留めておけば、周囲はそれを参考にしながらサポート体制を検討できます。

 本人だけでなく、家族や介護者にとってもエンディングノートは助けになるはずです。残された家族やサポートする立場にある人は何かを決める際に「本当にこの決断でよかったのだろうか?」「これはあの人が納得してくれる選択だろうか?」と不安になるものです。エンディングノートがあれば本人の希望を把握した上でもろもろ検討できるため、重要な選択をする時に迷いや心の負担が軽減されます。

 また、家族や周囲が本人の資産状況を把握できたことにより、経済的な負担が軽減されることもあります。本人がお金をどのように管理しているのか分からなければ、本人にお金があったとしても周囲が経済的に苦労することにもなりかねません。

エンディングノートは書ける項目から書いていこう!

 エンディングノートの項目はノートによって異なりますが、主に以下のような項目があります。

(1)出生について
誕生日、出生地、家系図

(2)現在の状況
居住地、かかりつけ医、常用薬、治療している病気、アレルギー、資産状況、年金、ローン、契約情報、ペット

(3)未来の希望
希望する介護、老人ホーム入居の意思の有無、介護費用の捻出方法、財産管理をお願いしたい人

(4)死後について
葬儀の希望、お墓、埋葬、遺言書

 上記の項目はいずれも自分にとっても周囲にとっても重要な情報です。ただし、分からない項目や書きたくない項目があった場合は無理せず、可能な範囲で書いてみてください。

 エンディングノートは、大型書店やネットショップなどで購入できますが、無料で配布している自治体もあります。また、自治体のサイトでダウンロードすることも可能です。お住まいの市町村での配布の有無についても市役所などで確認してみてください。

覚えておきたい! エンディングノートを書く際の注意点

 エンディングノートを書いたらその存在や置き場所について家族や周囲に伝えておく必要があります。エンディングノートの共有を怠ると、誰の目にも留まらず、書かれた内容について伝わらなかったという事態にもなりかねません。

 また、エンディングノートに書いた内容はあくまでも希望であることを心に留めておいてください。例えば、入居を希望する施設を書いたとしても、その施設の状況や社会情勢などによっては実現できないケースもあります。また、本人の状態などによっては、家族や周囲が独断で決めなければならないこともあるでしょう。

 自分の考えや自身が置かれる状況は日々変化しますので、エンディングノートは時折、見直しを行い、必要があれば加筆訂正を行うようにしましょう。

西田梨紗

【画像】貯金、延命措置、葬儀、お墓…わかりやすい! 「エンディングノート」の中身の見本がコレです!

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西田梨紗(にしだ・りさ)

ライター

 学生時代は、アメリカ文学を中心に女性のライフスタイルや人間の生き方を研究。「LIMO」「All about」「Real Sound」「オトナサローネ」などにも寄稿している。

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