“暑さ”で食欲不振、便秘…疲れた体を回復させるには? お勧めの対処法“4選” 専門家が解説
暑さで疲れた体を回復させるには、どのような取り組みが有効なのでしょうか。パーソナルトレーナーに聞きました。
9月以降も気温が高い日が続いたため、食欲不振や倦怠(けんたい)感など、体の不調を感じる人も多いのではないでしょうか。暑さにより、体にどのような影響が及ぶのでしょうか。暑さで疲れた体を回復させるには、どのような取り組みが有効なのでしょうか。
対処法について、パーソナルトレーニング事業を行うReblood(リブラッド、福岡市中央区)代表で、パーソナルトレーナーの野田博之さんに聞きました。
栄養バランスの取れた食事と良質な休息が重要
Q.暑い日が続いた場合、体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
野田さん「暑さが続くと、私たちの体にはいろいろな影響が出てきます。特に、次のような症状が現れやすいので、注意が必要です」
(1)脱水症状
暑さで汗をかくと、体の中の水分とミネラルがどんどん失われてしまいます。米国国立衛生研究所(NIH)の報告によると、脱水症状は、軽度、中度、重度の順に段階的に進行する可能性があり、次のような症状が現れます。
【軽度】
倦怠感や頭痛、めまいを感じることがあります。この段階でしっかりと水分補給をすれば、症状の悪化を防ぐことができます。
【中度】
軽度の状態が進むと、口の渇きや頻脈、血圧の低下が見られます。集中力も低下することがあるので、この時点で塩分やミネラルを含む飲料を取るのが効果的です。
【重度】
中度の状態が悪化すると、意識障害や錯乱状態という症状が出ます。最悪の場合、昏睡に陥ることもあるため、緊急の医療処置が必要です。
(2)自律神経の乱れ
暑さが続くと、体は体温を調整しようとフルに働くため、自律神経の働きが乱れるようになります。その結果、次のような症状が現れます。
【睡眠の質が低下】
暑さで夜もなかなかリラックスできず、眠りが浅くなってしまいます。寝汗や不快感で夜中に何度も目が覚めることもあります。
【胃腸の不調】
自律神経のバランスが崩れると、胃腸の働きも低下するため、消化不良や腹部の張り、下痢、便秘などの症状が起こりやすくなります。特に、暑い日が続くと食欲がなくなることもあります。
【慢性的な疲労感】
日中、交感神経が過剰に働いてしまい、体がずっと緊張している状態が続きます。そのため、夜に休んでも疲れが取れず、翌朝になっても体が重く感じることがあります。
【めまいや頭痛】
自律神経の乱れで血圧や血流が不安定になり、めまいや頭痛の症状が出ることがあります。
(3)胃腸の機能低下
暑さが続くと、体はエネルギーを節約しようと消化器官への血流を減らし、胃腸の働きを抑えてしまいます。これにより、消化機能が低下し、食欲不振や消化不良が起こりやすくなります。
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