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「ロスト・イン・スペース」父母役に聞く 人気作出演の思いや子役たちの印象

Netflixオリジナルドラマ「ロスト・イン・スペース」に出演するトビー・スティーブンスさんとモリー・パーカーさんが来日。人気ドラマのリメイク出演に対するプレッシャーなどを聞きました。

(左から)トビー・スティーブンスさん、モリー・パーカーさん
(左から)トビー・スティーブンスさん、モリー・パーカーさん

 Netflixオリジナルドラマ「ロスト・イン・スペース」に出演する、トビー・スティーブンスさんとモリー・パーカーさんが作品PRのため来日しました。同作は、宇宙への入植が現実になった未来の地球で、宇宙での生活を求めて旅立つロビンソン一家が、突然航路から外れる事故に遭遇し宇宙でサバイバルしていく…というSFアドベンチャー作品です。オトナンサー編集部では、人気ドラマのリメイク出演に対するプレッシャー、3人の子役たちの印象、グリーンバックの演技でリアリティーを持たせる方法などを聞きました。

地球を守ろうという警鐘の意味合いも

Q.スティーブンスさんが演じるジョン・ロビンソンとパーカーさんが演じるモーリーン・ロビンソン。それぞれ、役どころと似ているところはありますか。

パーカーさん(以下敬称略)「モーリーンは意志が強く、科学的なスキルを持っていて、エンジニアなので解決策を自分で導き出します。それって男らしい役ですよね。昔ならば男性が演じていた役どころです。そういう意味で、私には似てないと思いますが、仕切りたがり屋なのは似ています」

スティーブンスさん(同)「僕はジョンとは全く違います。ジョンは軍事的トレーニングを受けていて、すべてに適応してしまいます。厳しいし、命令には忠実に従います。でも父親としては、子どもや家族を軍事的な考え方でコントロールするのは良くないことです。彼はずっと家におらず、その間に家族は母親を中心にして強くなっています。ジョンは家族の中で居場所を探さなければいけませんが、私はそんなことはありません」

Q.人気シリーズのリメイクに出演する上でプレッシャーはありましたか。

スティーブンス「Netflixの作品はいろいろな人に見られるので、そういう意味でのプレッシャーは感じています。オリジナルの作品は見ていないので、人気のあるシリーズとかは考えませんでした」

パーカー「私も元々のシリーズは見ていなかったので先入観はありませんでした。プレッシャーは感じていなかったのですが、最高のものにしたいという気持ちで挑んでいました。SFものでスケール感はありますが、人間関係の部分はリアルにしたいと思っています。重いテーマにしすぎてもいけないけど、リアルにしなければいけないのでトビーとは話し合い、できるだけ複雑なものにしたいと考えていました」

Q.3人の子役たち(マックスウェル・ジェンキンスさん、ミナ・サンドウォールさん、テイラー・ラッセルさん)の印象をお願いします。

パーカー「3人とも素晴らしい俳優で私たちは恵まれていました。マックスはシカゴで親がサーカスをやっていて、恵まれない子たちに楽しさを届けるということをやっていたので、世界に対する知識を持っていてすごく楽しい子です。私の息子とも仲良くなりました。ミナは頭がよく、ニューヨーカーで洗練されていて、両親が国際的な人で素敵な家族から来ています。テイラーは私と同じバンクーバー出身で、彼女の母親は私と共通項がたくさんあります」

スティーブンス「3人とも熱意があります。特にマックスは、すごくポジティブなので現場では絶対に文句を言いません。僕はネガティブな人間なので彼のポジティブなエネルギーに触れて落ち込むことがあります。テイラーもエネルギッシュで、それが感染します。僕にもこういう時代があったなと思い出しました。ミナはいつも勉強のことを心配しています。俳優業をやりながら勉強もきっちりやらないと、という姿勢に感心します」

Q.グリーンバックでの演技が多い作品だと思いますが、見えないものを相手に演技する時、リアリティーを持たせるには何が必要だと思いますか。

モーリーン「『自分が滑稽(こっけい)に見えてもいい』というのが演じる上での真髄です。ただし、かなりロケに行って実際に撮っているものも多いです。視覚効果をうまく使っています」

スティーブンス「一番大変だったのは、グリーンスクリーンで何があるのかわからない状態で、家族が脱出できて喜んでいるシーンを撮影している時でした。何がなんだかわからないままやっていたので自意識過剰になりました」

モーリーン「こういうシーンは、子どもの方が遊びの延長で演じていてうまいですね。Netflixではお金をかけて宇宙船などのセットを作りました。テイクの待ち時間、マックスは宇宙船の操縦席に座って、自分が操縦している、みたいなことをやって遊んでいます。子どもにとってはおもちゃや遊び場みたいで楽しそうです」

Q.童心にかえって演じるということはありますか。

モーリーン「とにかく子どもたちが無心になって遊んでいるので、私たちもそれを信じるということをやっています。宇宙船はいっぱいボタンがあり、押すのも楽しいです」

スティーブンス「僕はSFファンで『スタートレック』や『スター・ウォーズ』を見ていたし『2001年宇宙の旅』や『エイリアン』『ブレードランナー』も見ていましたが、SF作品に出ることになるとは思っていませんでした。『スタートレック』などで宇宙船が攻撃を受けて揺れたりするシーンを見て『大変だろうな』と他人事のように思っていたら、実際にやることになり、本当に大変でした(笑)」

Q.仮に地球が住めなくなった場合、ドラマのように移住を希望されますか。

モーリーン「子どものためなら移住するかもしれません。でも、地球が住めなくなるのは悲しいことだし、できれば去りたくないと思います」

スティーブンス「この作品は野心的でメッセージ性もあり、肯定的な部分もありますが、『我々が地球を守っていかなければこういう事態も起こりえますよ』という警告もあると思います。地球が住めなくなった時のオプションは何でしょうか。彼らの、宇宙に移民するという行動は必ずしも理想的ではなく、危険をはらんでいます。地球にどれだけ価値があるか。僕は住めるかどうかわからない星に住むのは嫌です」

モーリーン「地球上でも住めなくなったり、大変な目に遭って故郷を捨てざるをえなかったりした人もたくさんいます。そうした人たちに対するメッセージでもあります」

 ドラマ「ロスト・イン・スペース」は4月13日からNetflixで配信。

(エンタメチーム)

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