オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「ちはやふる」シリーズ完結へ! 小泉徳宏監督が語る、その魅力と公開前の思い

ストーリーを前後編に分ける難しさ

Q.競技かるたの畳の下から透けて札の字が読めたり、取るべき札の候補が光るなど演出が面白いです。こういうアイデアはどのように作られたのでしょうか。

小泉「競技かるたで10連覇したクイーンがいて、彼女の、ゾーンに入ると『次に読まれる札が光る』という逸話をモデルにしています。千早の場合は読まれた札の候補が光り、2字目、3字目と読まれていくごとに候補が絞られていくという演出にしました。札が読まれた時、競技かるたの選手がほんの一瞬でやってることはこういうことなんです、という表現です」

Q.新と伊織のやり取りがとても面白かったです。新の対応に対して他の部員が「二字決まり」など、かるたにちなんだツッコミを入れるのが笑えました。

小泉「伊織は原作には登場しない人物なので、とても神経を使いました。まして、千早をかるたで打ち負かしたことのあるほどの人だし、ライバルとしての存在感を演出しなければなりません。そこで、登場するたびに少女漫画にあるまじきことをぶっ込んでいくという、大胆な人物像にしました。それを進めていく中で『二字決まり』などツッコミが入るようになりました」

Q.「上の句」「下の句」は2時間以内に収まっています。「結び」は取り上げるエピソードも多く尺の長さが難しかったと思います。「結び」を上下に分けようとは思わなかったのでしょうか。

小泉「『上の句』『下の句』の時、映画のストーリーを前後編に分ける難しさを感じていました。映画のリズムがつかめないんです。冒頭キャッチーな部分があり、中盤状況説明や中盛り上がりがあって、みたいな映画の基本的な流れが、前後編になると途端に難しくなる。それが顕著に現れたのが『下の句』です。普通の映画なら存在する冒頭のドライブ感がどうしても作れませんでした。物語としてはそれで間違っていなくても、映画の本来の構造・構成として、前後編はあまり乱発すべきでないと思いました。『結び』は3作目ということもあり、多少尺が長くなったとしても、一本でまとめたいと思っていました。製作スタッフにも企画が決まった段階でそう宣言しました。鋭くとがった刃のような、研ぎ澄まされた映画にしようと」

Q.完結編を期待しているファンの方にひと言をお願いします。

小泉「『上の句』『下の句』を見ていなくても面白い、という声は既にたくさん頂いているので、初めてご覧になる方もそこは安心していただきたいです。でも『上の句』『下の句』を好きになってくれたファンだけは絶対裏切りたくなかったので、やはり続編としての面白さにはこだわって作っています。そして、さらに言えば『上の句』『下の句』『結び』それぞれに面白さはあるけど、トリロジーとして見た時にまた別のメッセージが浮かんできます。映画『ちはやふる』はこれにて結びますが、皆さんの心の中にこの作品がずっと生き続けてほしいと、そんな思いを込めました。少女漫画原作の映画と侮る気持ちはわかりますが、一線を画する壮大な世界観を味わってほしいです」

 映画「ちはやふる-結び-」は3月17日から全国公開。

(オトナンサー編集部)

1 2

コメント