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「ちはやふる」シリーズ完結へ! 小泉徳宏監督が語る、その魅力と公開前の思い

「ちはやふる」シリーズの完結編「ちはやふる-結び-」が3月17日から公開されます。小泉徳宏監督に全3作を撮り終えた感想などを聞きました。

小泉徳宏監督

 映画「ちはやふる」シリーズの完結編「ちはやふる-結び-」が3月17日から公開されます。完結編は、3年生になった千早(広瀬すずさん)が、個性派新入部員に振り回されながら全国大会に向けて練習をする一方、千早たちと戦うために新(新田真剣佑さん)は自分の高校にかるた部を創設し予選に挑んでいきます。オトナンサー編集部ではこのほど、小泉徳宏監督にインタビュー取材。全3作を撮り終えた感想や「ちはやふる」の魅力、競技かるたシーンの演出などについて聞きました。

「ダメだと言われたら凹むしかない」

Q.「下の句」の初日舞台あいさつで「結び」の製作発表が行われましたが、「上・下」を撮った時から「結び」を作る予定だったのでしょうか。

小泉監督(以下敬称略)「『上・下』の撮影中にそんな話はなかったのですが『上の句』が完成した時点でそんな話が耳に入ってくるようになりました。でも正式に製作が決まったのは『上の句』の公開日かその翌日くらいでした。もし最初から決まっていたとしたら『下の句』の後なるべく早く公開したいはずで、これほど時間は開けなかったでしょう。『上・下』で原作の先のエピソードを入れてしまったので、完結編はどうしようかと思いました」

Q.こんなに長く関わると思っていらっしゃいましたか。

小泉「思いませんでしたね。4年たってしまって、広瀬すずももうすぐお酒が飲めるような年齢になります。彼らは、若い頃から既に役者をやっているので、いわゆる普通の学生生活というものを送れていないんです。だから彼らにとってこの映画は『ちはやふる部』という、部活のような気分だったんじゃないでしょうか。僕は差し詰めその顧問と言ったところでしょうか」

Q.3作品撮り終えた感想をお願いします。

小泉「不安でしかないです。お客さんがどう受け止めてくれるのか、見終わった後に満足してくれるのか、思ったところで笑ってくれるのか、思った通りのところで泣いてくれるのか。そもそも見たいと思ってくれてるのか、とかですね。青春全部かけたつもりはあります。でも、かるたの運命戦じゃありませんが実際どうかはお客さんが決めることです。予想外の反応も楽しみです。ここで笑うかとか。これだけ考えて作っても予想外の反応が起きるのでびっくりします。映画作品というのは、監督だけでなく、キャストやスタッフ全員の思いが乗っています。これだけやってダメと言われたら凹むしかないです(笑)」

Q.原作はまだ完結していませんが、映画はこの作品で終わらせなければいけません。ラストについて原作者の末次由紀先生に展開などを相談されましたか。

小泉「『結び』の脚本を一昨年くらいから書いていました。その時点で脚本の内容が原作に追いついていたので、その先の展開を末次さんに伺い、参考にさせて頂きました。でも、原作者とはいえ、まだ描いていないストーリーをハッキリと答えるのは難しいんです。ですから、モヤっとしている部分は僕が想像を膨らませながら作っていました。で、実際の連載と自分が書いたシナリオとを照らし合わせ、一喜一憂していました。それがある時、連載のある部分を読んで『私は本当はこうしたかった、でもあえてやらなかった』という末次さんの気持ちが見えた気がして、それが転機になりました。『結び』は僕の中で、お客さんと共犯関係になれたらいいなと思っていて『こういう「ちはやふる」もあったかもしれないよね』という思いです。言うなれば、壮大な同人誌のような。末次先生は『結び』を気に入ってくれて、『読者が見たかったもう一つの「ちはやふる」になっている』と言ってくださいました。何でもかんでも忠実ではないけど、変えてるところも読者さんが見たかったところではないかと」

Q.一番好きなキャラクターは誰ですか。

小泉「周防久志名人(賀来賢人さん)ですね。もし彼が友人だったら付き合いきれるかわかりませんが(笑)あとは映画オリジナルキャラの我妻伊織(清原果耶さん)も、めげない感じが好きです」

Q.広瀬すずさん、野村周平さん、新田真剣佑さん、松岡茉優さんの魅力を教えてください。

小泉「広瀬すずは動物的な勘が鋭いというか、本能のままというか、そんな印象があります。それは『こっちにいけば水がある』というような生き物としての勘の良さみたいなもので、それが演技に生きています。考え抜いて演じるよりは、相手の動きや感情を見て、柔軟に対応してしまうところが面白いです。野村君はとてもオープンな人です。自分の強さも弱さもさらけ出せてしまう。本人は何でも器用にこなすタイプですが、役柄の上では不器用な役をやらせるととてもハマります。また憂いのある役をやらせるととても引き立ちます。真剣佑は透明感があり、無垢な少年のような感じ。とてつもなくまっすぐです。役への向き合い方もストイックで、昔の日本男児というか侍みたいで、良くも悪くも裏表がありません。だから、一歩間違えれば大きく誤解されてしまいそうな危うさがあります。ミステリアスでどこまでいっても素の彼をつかめない感じです。松岡さんは広瀬すずとはまた違うタイプの理知的な天才です。すぐに東大とかにも受かりそうな感じがします。ずっと見えない何かと戦っているような、そんなイメージがあります」

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