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五輪余波で軒並み“最低視聴率”の連ドラ、再浮上しそうな作品はどれ?

「最終回で謎が明かされる」作品に期待

 まったく未知数なのが「anone」。そもそも同作の持ち味は、「ドラマのジャンル自体が何なのか」明らかでない不思議な世界観であり、視聴者は「どんな終盤を迎えるのか」「どんな結末を期待すればいいのか」、分かっていないのです。

 それこそが同作の脚本を手がける坂元裕二さんの真骨頂。坂元さんは1年前に放送された「カルテット」(TBS系)でも、最後まで結末がイメージできない物語を続け、視聴率こそ低迷しましたが、視聴者・識者の双方から絶賛を集めました。「anone」は同作よりさらに難解なだけに、「最後まで熱狂的なファンだけで盛り上がった」という作品になるかもしれません。

 前述したように、やはり終盤に強いのは、「追いかけてきたテーマの答えが最後に出る」「最終回で謎が明かされる」タイプの作品。その意味では、主人公の復讐劇を描いた「FINAL CUT」(フジテレビ系)、キスでタイムリープするという謎が解き明かされそうな「トドメの接吻」(日本テレビ系)にも期待できそうです。

 最後に、見逃されがちなこぼれ話を一つ。ネットメディアの視聴率に関する記事は、なぜ「低視聴率」や「ドラマ」がテーマのものばかりなのでしょうか。バラエティーや情報番組の視聴率が報じられるのは大型特番の時が大半で、日ごろ書かれるのはドラマばかりであり、しかもたたかれてばかりなのです。

 その理由は、「録画視聴率を掲載しない」という姿勢を見る限り、「報じるべきデータだから」という前向きなものではなく、「ページビューが稼げるから」という利己的なもの。視聴率に関する記事は、ビデオリサーチ社のデータを掲載するだけで記事化するのが簡単であり、責任も負わず、特に低視聴率に関してはページビューが稼げるようです。

 そんな厳しい状況の中、一つでも多くのドラマが終盤に向けて盛り上がることを心から願っています。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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