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氷漬けになった“金魚”が死なずに生存…SNS上に「生命力すごい」と驚きの声、金魚博士に聞く

金魚の生命力がSNS上で話題に。「2センチくらいの氷がエラまで固めて」いたもののその後、生存を確認。「生命力すごい」などと驚きの声が上がっています。金魚博士に聞きました。

氷漬けになった金魚=バロン塚本(@satsat)さん提供

 金魚の生命力に関する投稿が先日、SNS上で話題になりました。きっかけとなったのは「金魚が!!!!!!!」というコメントとともに投稿された、体のほとんどが氷漬けになった金魚の写真。飼い主である投稿者は「2センチくらいの氷がエラまでがっつり固めててさすがにこれは無理なのでは…」と生存を絶望視していましたが、その日の夜「金魚生きてた!!!!!!!!」と報告。翌朝は水槽の水も凍らず「今日は閉じ込められずにちゃんと生きている」とコメントしました。

 これを受けてSNS上では「金魚の生命力すごい」「生きていてよかった!」「凍っても溶けたら生き返るって聞いたことあるけど本当だったのか」などさまざまな声が上がっています。金魚には、これほどの生命力があるのでしょうか。「金魚博士」として知られる横浜美術大学の岡本信明学長に聞きました。

冬は通常、水槽の底でじっとしているが…

Q.金魚は氷漬けになっても、氷が溶けると生き返るのでしょうか。

岡本さん「凍結された金魚は生き返りません。投稿された写真の金魚は厳密に言うと凍結状態ではありません。写真からすると金魚は、薄氷が張った水槽の氷の下で、氷にヒレの一部が取り込まれている、あるいは取り込まれたように見える程度にじっとしていた状態です。金魚は代謝機能を落とし、できるだけ動かないようにして冬の寒さをしのぐため、通常は水槽の底の方でじっとしていますが、時々、中間層や上層付近で動きを止めていることもあります。上層付近でじっとしている時に、金魚のヒレの一部が氷に閉じ込められる場合もありますが、金魚が呼吸をして血液を循環させていれば、氷から解放されて泳ぎ出します。しかし、金魚が完全に凍結された状態になると、呼吸も血液の循環もできないので命をつなぐことはできず、生き返ることはありません」

Q.今回のケースのようにヒレの一部が氷に閉じ込められた状態から、氷が溶けて元通りになった後、金魚に何らかの異常は見られますか。

岡本さん「金魚が呼吸をして血液を循環させていれば、氷が溶けて泳ぎ出した時の金魚の体に異常は起きません。ただし、閉じ込められたヒレの一部に血液が回らなかった場合、その部分(多くはヒレの先端部分)の細胞が死んでしまうため、白く濁ってはげ落ちるようになることがありますが、再生して元に戻ります」

Q.金魚の体の一部が凍ってしまった場合の対処法を教えてください。

岡本さん「前述のように、ヒレの一部が閉じ込められた程度の金魚が氷から解放された後、ヒレの先端部分が白く濁ってはげ落ちた場合でも、基本的には金魚自身の再生能力で治ります。細菌感染の予防の観点からは、0.5%の食塩水に金魚を移して治癒を助けるのもよいでしょう」

(オトナンサー編集部)

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