息子のイヤイヤに心が折れて涙…ストレスの原因である息子が見せた“意外な”優しさ 「めっちゃ分かる」
イヤイヤ期の息子について描いた漫画が話題に。あるとき、息子の激しいイヤイヤに心が折れて、涙をこぼした母親に…。

イヤイヤ期の息子について描いた漫画「イヤイヤ期 その優しさを…」がSNS上で話題となっています。あるとき、息子の激しいイヤイヤに心が折れて、つい、涙をこぼした母親。涙の原因となった息子はその様子を見て…という内容で「めっちゃ分かる」「複雑な気分ですよね」「お互い頑張りましょう」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
毛布とくまちゃんは大切なアイテム
この漫画を描いたのは、主婦で編み物作家の花いるか(ペンネーム)さん(30代)です。インスタグラムでは、育児漫画と編み物作品を発表しています。
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
花いるかさん「この数日前、『もしかして、息子は感情のコントロールができていないからかんしゃくを起こすのではないか?』という気付きがありました。イヤイヤ期の息子が私を困らせる。しかし、それらは『悪気がない』。だから、『怒っている理由が分からない』。
この気付きは私にとって、かなり衝撃的なものでした。これに気付くだけで、親の気持ちや対応もかなり変わってきます。もし今、イヤイヤ期に追い詰められている方がこれを見て、『そうだったのか…』と少しでも心を軽くしてくれたらいいなと思って描いてみました」
Q.息子さんの対応について、どう感じましたか。
いるかさん「息子にとって、ピンク毛布と相棒のくまちゃんは、赤ちゃんのときからずっとそばに置いているとても大切なアイテムです。息子が怒りで爆発したとき、『抱きしめてごらん、落ち着くよ』と伝えていました。それは単に私の思いつきから言ったことで、息子本人にとってよかったのかどうかは分かりません。だから、息子がこのように私を慰めてくれたとき、『正解だったのだ』と感じて安心したのを覚えています」
Q.泣きたいほどのイヤイヤ期と向き合っているとき、どのようなことを考えていますか。
花いるかさん「最初の頃はとことん向き合うつもりで頑張っていたのですが、この時期は心も体も疲れ果て、頑張ることをやめていました。まずは壊れかけている自分の心を守る方が大切でした。息子のイヤイヤ期は時間が解決してくれることが多かったので、息子も私も、お互いが落ち着いたときに話をして、抱きしめてあげればいい。当時はそうするだけで精いっぱいで、ただただ時間が過ぎていくことを祈っていました」
Q.この後、また再び、激しいイヤイヤがあったのでしょうか。
花いるかさん「この後、2週間はひどいかんしゃくが続きました。でも、このことが私の考え方も変えてくれたので、怒りに怒りをぶつけず、できるだけ冷静に“気持ちのコントロールの仕方”と“私が怒っている理由”を淡々と伝えられるようになりました。息子自身も成長して、私の話に耳を傾け、理解してくれるようになってきたので、最終的にひどいかんしゃくを起こすことはなくなりました」
Q.イヤイヤ期は何歳ごろから始まり、いつ落ち着きましたか。
花いるかさん「息子のイヤイヤ期は、私が自覚している感じだと1歳半~3歳まででした。どの時期も子どもの成長に合わせた大変さがあったので、ずっと大変だった印象です。今回のエピソードは2歳8カ月の話ですが、この辺りでようやく峠を越えたのを感じました。
私が息子を見てきて分かったのは、イヤイヤ期は『自分の感情を学ぶ期間』なのだということ。自分の感情を知ることで、相手の気持ちも考えられるようになる。とても大切なことです。いろいろな経験をして、たくさんの感情の種類を知ること、うれしい・悲しい・怒っているなどを言葉として表現できるようになることが、心の成長に必要なのだと感じました」
Q.今、イヤイヤ期に向き合っている親御さんに伝えたいことはありますか。
花いるかさん「『甘やかしたせい』『親がなめられてるからそうなる』など、イヤイヤ期の投稿には心ないことを言う人がたくさんいます。弱った心にグサグサ刺さるんですよね(笑)でも、イヤイヤ期は甘やかしても甘やかさなくても、誰もが必ず通る道なので、気にしなくていいです。今まさに追い詰められてつらい方は必ず、周りに頼ってください。
近くに助けてくれる人がいなかったら、SNS上でもいいから、信頼できる誰かに声をかけて愚痴をこぼしてください。ずっと子どもに向き合い続ける必要はないです。安全を確保したら、DVDを流して、子どもから離れて、1人でコーヒーを飲んでもいいんです。自分の心を守ることに罪悪感を持たないでほしい、それに尽きますね」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
花いるかさん「『うれしいけどね…』『ご飯を食べてくれないのはほんとにつらい!』といったコメントを頂きました。子どもにかけられたストレスを子どもに癒やされる、うれしいけど喜びきれない、そんな複雑な感情は“イヤイヤ期の子どもの親あるある”みたいです」
Q.現在、取り組んでいる創作活動は。
花いるかさん「伝えたいことや残したいことはたくさんあるのに、絵の技術が追いつかなくて表現しきれない部分がたくさんあるので、少しずつですが絵の勉強も始めました。編み物作家としての時間はあまり取れていないのですが、編み物が楽しい季節になってきたので、また、作品作りもしたいです」
(オトナンサー編集部)
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