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「高級腕時計でも、10年たつと修理できない」って本当? 真偽を企業担当者に聞く

ネット上で「高級時計でも、10年たつと修理できない」という声が寄せられていますが、本当でしょうか。高級時計の修理状況について、メーカーに聞きました。

高級時計の修理はいつまで可能?(2004年6月、時事)
高級時計の修理はいつまで可能?(2004年6月、時事)

 スマホや「スマートウオッチ」の普及により、影が薄くなりつつある「腕時計」ですが、婚約記念品や子どもの進学祝い・就職祝いとしての需要はいまだに健在なようです。ところが、ネット上では「10年ほど前に買った高級腕時計を修理に出したら、『修理できない』と言われた」「アフターフォローもしっかりしてほしい」などの声もあります。

 思い出の品である腕時計はできるだけ長く使い続けたいところですが、修理状況はどうなっているのでしょうか。高級時計の修理状況や手入れ方法について、「グランドセイコー」「クレドール」などの高級時計ブランドを展開するセイコーウオッチ(東京都中央区)マーケティング統括室の広報担当者に聞きました。

保有年数の目安は10年間

Q.腕時計をできるだけ長く使い続けるためには、何年おきに修理業者にメンテナンスを依頼した方がよいのでしょうか。また、購入後10年以上経過した製品も修理できるのでしょうか。

担当者「当社の高級時計ブランド『グランドセイコー』を例にお答えします。製品を長く愛用いただくために、3年から4年に1度、点検調整のための分解掃除(オーバーホール)をおすすめします。製品の使用状況によっては機械の保油状態が損なわれたり、油の汚れなどにより、部品が摩耗したりすることで、時計が止まることがあるからです。また、パッキンなどの部品の劣化が進むと汗や水分が浸入し、防水性能が損なわれる場合もあります。

グランドセイコーのアフターサービス用部品の保有年数は10年間を目安としています。しかし、当社ではさらに長い期間、対応できることを目指しており、アフターサービス用部品の在庫がない製品の修理依頼を受けた場合でも、修理窓口で一度、製品をお預かりし、代替部品で修理可能かどうかを確認します。修理できる場合は修理を行い、修理できない場合は修理できない旨を依頼主さまに伝えています。なお、『機械式腕時計』と『クオーツ式腕時計』とで修理対応に変わりはありません。

グランドセイコーの修理やメンテナンスは購入店に依頼するか、当社サイトのページ(オンライン修理受け付け)で手続きを行ってください」

Q.グランドセイコーのクオーツ式腕時計の電池の寿命は。

担当者「クオーツモデルの電池の寿命は約3年です。しかし、お買い上げ時の製品には検査用のモニター電池を使用しているため、3年より早く寿命を迎えることがあります。電池切れ予告機能(秒針が2秒ずつ動く)が出たら、購入店、または当社サイトを通じて、電池の交換を依頼してください」

Q.製品を劣化させないための手入れ方法や、その際の注意点について教えてください。また、ガラスに傷が付いたときの対応は。

担当者「肌が直接触れる裏ぶたやバンドは汗や汚れが付着しやすい場所です。水分や汗、汚れが付着したら、乾いた柔らかい布で拭き取ってください。特に、裏ぶた周辺は汚れがたまりやすいので、乾いた柔らかいナイロンブラシなどを使って汚れをかき出してから、柔らかい布で拭き取るようにしてください。

時計を水につけたり、洗剤で時計を洗ったりすると、時計の防水性能を低下させる危険性があります。また、化学薬品(特にベンジン、シンナー、アルコールなどの有機溶剤)で洗うと、化学変化で時計が劣化することがありますのでご注意ください。

りゅうず(腕時計・懐中時計のぜんまいを巻き、針を動かすためのつまみ)のさびつきを防止するため、りゅうずを引かない状態で定期的に空回ししてください。ねじロック式のりゅうずの場合はロックを外してから、りゅうずを引かずに空回ししましょう。特にクオーツ時計の場合、りゅうずを操作する機会が少ないため、いざ使おうとしたときにりゅうずが固着していた場合もあります。

時計の回転ベゼルやボタンは汚れがたまらないように、普段から清潔に使いましょう。回転ベゼルの下に汚れがたまると、ベゼルの機能を損なう場合があります。また、りゅうずと同様、回転ベゼルも定期的に空回ししましょう。ガラスに傷が付いた場合、傷によって時計が見えにくかったり、防水性に支障をきたしたりするようであれば、ガラス面の交換をおすすめします」

Q.国内メーカーの腕時計に関しては、ネット上では「約10年前に買った国内メーカーの高級腕時計を修理に出したら、『修理できない』と言われた」「アフターフォローもしっかりしてほしい」「気に入ったものをできるだけ長く使い続けたい」などの声が寄せられています。それらの声については、どのように受け止めていますか。

担当者「グランドセイコーは『世代を引き継ぐことのできるアフターサービス』をお客さまから要望されていると実感しております。アフターサービスの要望を受けた際は、先述のように、アフターサービス用の部品の在庫がない場合であっても修理窓口ですぐに断るようなことはせず、代替部品で修理できるかどうかを確認してから、お客さまに返答するようにしています。

今は至らない点もありますが、できる限り、ご満足いただけるアフターサービス体制を実現できるよう、努力を続けております」

(オトナンサー編集部)

コメント

1件のコメント

  1. セイコーは実際にはもっと購入者に親切ですよ。
    私は1977年にヨドバシカメラで三万五千円で買ったセイコーの腕時計を50年近く休まずずっと使っています。

    バイトして初めて買ったものだったので、分不相応とは思いましたがオーバーホールしてずっとつかっています。
    今でも全然狂わない。

    確かに部品の保存期間は限られていますが、その後でもオーバーホールや修理の依頼には本当に誠意を尽くして、互換性のある部品を探すなどの対応してくれています。わずか三万五千円の時計にそこまでしていて赤字にならないかと気の毒になるほどです。

    クレーマーもいるので、メディアの取材を受けると「型通りの対応しかしません」という回答しかできないのでしょう。

    同社の心のこもったサービスで、学生時代に買った量産品の時計を半世紀も使っている例もあると、知ってもらいたかったです。
    量産品でこの親切対応ですから、まして高級品であれば10年で縁が切れるなどと心配する必要はないと思います。