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清原果耶、蒔田彩珠、森七菜…2020年、並外れた演技力が光った「ティーン女優」

10~20代で最もブレーク? 森七菜さん

 続いて、注目したいのが森七菜さんです。2020年、10~20代で最もブレークした俳優は誰かと聞かれたら、彼女を挙げる人も少なくないでしょう。

 映画やドラマで引っ張りだこの一方、バラエティー番組にも数多く出演。また、歌手としての活動も積極的に展開するなどタレント性をも持ち合わせる女優として、ひときわ多くの人に知られる存在となりました。

 いずれの作品においても、彼女が作り出す独特の空気感や表情、声だけでなく、全身で訴えてくる表現の幅広さに驚かされます。弱冠19歳ながら、年齢を感じさせない堂々たるたたずまいを見せるかと思いきや、年齢よりも若く見えるあどけない一面も兼ね備えている、まれな才能を持つ女優であると感じるのです。

 映画では特に「ラストレター」での演技が印象深いです。名だたる俳優陣がひしめく中でも負けず劣らずの存在感を放ち、作品にさまざまな感情を軸とした、彩りを与える豊かな感情表現を見せました。同作は全体的に作家性が色濃く出ていた作品ですが、彼女の存在がさまざまな場面で鑑賞者との橋渡しとしても機能していたように感じます。

 さらに、ドラマでは「この恋あたためますか」(TBS系)で主人公の井上樹木役を演じ、人気を不動のものに。勝ち気な性格で、自分のやりたいことに対して貪欲に突き進んでいくキャラクターですが、良くも悪くも周りを巻き込みながら、新しい風を職場に吹き込んでいく天真らんまんな女性を見事に演じ切りました。

 特に印象的だったのは、普通の中に何か特別なものを感じる女性像を体現していた点です。ただ生意気なのではなく、彼女が動けば、なぜかできそうな気がする、普通と特別を行き来するヒロインをしっかりと形にしました。

 2021年もすでに、映画「ライアー×ライアー」への出演が決まっており、今後も目が離せません。

 今回の記事では、特に活躍が目覚ましかった3名のティーン女優を挙げましたが、それ以外にも注目のティーン女優はめじろ押しです。

 子役の頃から人気で映画「星の子」の主演を務めた芦田愛菜さん、映画「もみの家」やドラマ「これっきりサマー」で主演を務めた南沙良さん、映画「映像研には手を出すな!」をはじめとした作品や、娘役として数多くの作品に出演した桜田ひよりさん、映画「罪の声」で犯行テープに使用された中学生として確かな存在感を残した原菜乃華さんなど、今後、目が離せない注目の若手女優がさまざまな作品で活躍しています。

(ライター 岡田拓朗)

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岡田拓朗(おかだ・たくろう)

ライター

大手・ベンチャーの人材系企業を経て、フリーランスとして独立。現在は教育業界やエンタメ業界を中心に広報やライターなどさまざまな仕事をしている。映画とドラマが好きで、SNSや音声配信メディアで作品のレビュー・感想も発信中。

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