仲野太賀、石橋静河、趣里…親の存在を忘れさせる「2世俳優」たちの活躍
仲野太賀さん、石橋静河さん、趣里さん、福地桃子さん…若手の「2世俳優」の活躍が目立っています。その軌跡を筆者が振り返ります。

仲野太賀さん、石橋静河さん、趣里さん、福地桃子さんら若手俳優たちの露出が増え、活躍が続いています。彼らの共通点は「2世俳優」ということですが、それぞれが自らの力で切り開き、親の存在を感じさせないほどの活躍ぶりです。今回は彼ら4人の活躍に焦点を当て、これまでの活動を振り返っていきます。
コミカルな役柄にとどまらない演技力
まずは仲野さんについてです。昨年は映画7本とドラマ2本、今年はすでに映画2本とドラマ2本の出演が決まっており、各方面から引っ張りだこの存在になっています。
仲野さんが俳優として注目されるきっかけとなったのはドラマ「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系)での、ゆとり世代を象徴するキャラクター・山岸役の演技でしょう。マイペースで合理主義な、癖のあるキャラクターを演技とは思えないほどの再現性で体現し注目され、その後、山岸が主役のスピンオフドラマ「山岸ですがなにか」(Hulu)が配信されました。
そこから、より認知度を上げることになったのがドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)で演じた今井役です。一般的に認知されている仲野さんはどちらかというと、コミカルな役柄を演じている印象が強いのではないでしょうか。ただし、彼の魅力はコミカルな役柄だけでなく、シリアスな役柄からどこにでもいそうな人物の役、そして、主役から脇役までさまざまな役を彼にしかできない絶妙な温度感で演じられる点にあります。
特に最近出演した映画ではシリアスな役を演じている印象が強く、昨年は「静かな雨」「生きちゃった」「泣く子はいねえが」と立て続けに主演を務め、それぞれ細かな機微や緩急を求められる難しい役どころを見事に体現。今年公開された映画「すばらしき世界」「あの頃。」ではそれぞれタイプの異なる役柄で重要な役を演じています。どちらの役も仲野さんならではの存在感と役の深みを感じられました。
ドラマでも、「この恋あたためますか」(TBS系)では主人公・樹々(森七菜さん)をいちずに思うもなかなか報われない青年・新谷を好演。主演を務めた「あのコの夢を見たんです。」(テレビ東京系)では、原作の執筆者でもある南海キャンディーズ・山里亮太さん役を見事に体現していました。
今年は4月スタートのドラマ「コントがはじまる」(日本テレビ系)出演と、「もし昔話の登場人物が訴えられたら…」というユニークな設定のドラマ「昔話法廷~『桃太郎』裁判」(NHK・Eテレ)に桃太郎役で出演することが決まっています。
続いて、石橋さんは「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(2017年)で池松壮亮さんとのダブル主演を務めて以来、さまざまな作品に出演。ヒロイン役も多く、「きみの鳥はうたえる」(2018年)、「いちごの唄」(2019年)、「人数の町」(2020年)とそれぞれ異なるヒロイン像を体現し、個性的な魅力を放っています。
今年は映画「あのこは貴族」に出演し、自分の生きたいように生きながらも自らの生き方に責任を持つ、芯のある女性を演じています。どんな役を演じても存在感があり、どこか引きつけられる魅力を持つ石橋さん。彼女の認知度をより上げることになったのが「東京ラブストーリー」(FOD、Amazonプライム・ビデオ)での赤名リカ役と「この恋あたためますか」(TBS系)での北川里保役でしょう。
前者は自分の気持ちに正直に生きる、天真らんまんで自由奔放な性格の役柄でしたが、後者は打って変わって落ち着きのある、一歩引いた大人の女性を演じていました。特に、この北川役はネット上でも、仲野さん演じる新谷と合わせて持ち上げられることも多く、相手をいちずに思う誠実な人柄で、より一層の注目を浴びました。
4月からは新ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(関西テレビ・フジテレビ系)への出演も決まっており、今後のさらなる活躍が期待されます。
コメント