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上白石萌音、「ボス恋」をヒットに導く“応援したくなる”キャラ作り

「ボス恋」でも親しみやすい演技

 今回、彼女が「ボス恋」で演じる鈴木奈未も、七瀬とはまた違った形で応援したくなるキャラクターです。

 奈未は「人並みで普通の幸せを手にしたい」と願うイマドキの感覚を持った田舎育ちの平凡な女子。しかし、ひょんなことから大手出版社のファッション雑誌編集部に配属され、奈未とは真逆の上昇志向を持った編集長・宝来麗子(菜々緒さん)の雑用係として働くことになりますが、バリキャリで敏腕の麗子は生半可な気持ちで働く奈未に冷たい態度で接します。

 1月12日に放送された第1話では、麗子が「人並みでいいなんて言うのは平均以上の能力やステータスがある人間が使える言葉。あなたは普通の人並みや普通がどれだけのものか分かってない」と奈未を論破する場面も。SNS上では、ドラマを見た視聴者からの「こうやって叱ってくれる人は必要」「麗子なら絶対成長させてくれるから頑張ってほしい」という意見が見受けられました。

 思わず社会人として未熟だった頃の自分と奈未を重ねてしまうのも、上白石さんの演技がリアルで親しみやすいキャラクターに仕上がっているからでしょう。表情豊かで、ラブコメらしく、少し大げさに見えるリアクションも愛嬌(あいきょう)があります。

 また、玉森裕太さん演じる子犬系イケメンのカメラマン潤之介との恋愛模様も見どころ。きょうだいである麗子と潤之介の両方に振り回され、恋にも仕事にも全力で走りだす姿に同年代の視聴者は共感し、もっと年上の視聴者は老婆心で見守りたくなる。そんな奈未を演じる上白石さんは「恋つづ」に引き続き、「ボス恋」もヒットに導きそうです。

(ライター 苫とり子)

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苫とり子(とま・とりこ)

エンタメ系ライター

1995年、岡山県生まれ。東京在住。学生時代に演劇や歌のレッスンを受け、小劇場の舞台に出演。IT企業でOLを務めた後、フリーライターに転身。現在は「Real Sound」「AM(アム)」「Recgame」「アーバンライフメトロ」などに、エンタメ系コラムやインタビュー記事、イベントレポートなどを寄稿している。

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