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40代でイケメンを捨てた玉木宏、2クール連続“裏社会の男”を演じる必然性

元極道でも女性視聴者をガッチリ

 この2作で玉木さんが演じているのは、裏社会の男が持つ怖さだけではありません。それはあくまでキャラクターのベースであって、本当に見せたいのは優しさと愛情の深さ。事実、玉木さんは「極主夫道」の龍について「こんな外見の龍ですが、内面は真っすぐでバカ正直。どんな行動も美久や家族のためなんです。そこは龍を演じる上で一番大事にしたいところでもあります」とコメントしていました。

 一方、「竜の道」の竜一も育ての親の無念を晴らすために人生をささげ、弟の竜二(高橋一生さん)と義妹(松本穂香さん)を守ろうとするシーンが何度となく見られました。どちらも、コワモテや悪事とのギャップを生かして感動を誘おうとしているのです。

 もう一つ特筆すべきは、龍が主婦(主夫)へのリスペクトを前面に押し出していること。実際、第1話の序盤で「主婦はな、誰よりも早う起きて、旦那と子どもの飯作って、洗い物して洗濯して、それ終わったら子ども迎え行って、飯食わせて風呂入れて、子ども寝かしつけて、旦那が寝てからまた洗濯物して、気いついたら深夜0時や。組まとめるのも大変やけど、主婦ほど大変な仕事はないねん」というセリフがありました。この点はイケメン役のときと同じように、女性視聴者層の支持をガッチリつかんでいるのです。

 最後に挙げたいのは、2作で玉木さんが演じる「竜一」と「龍」という名前。それぞれ原作のある作品であり、放送局も異なることから偶然の一致ではあるものの、「2つのドラゴンから始まる玉木さんの40代は、これまで以上にエキサイティングなものになっていく」という暗示なのかもしれません。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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