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「パスポート」にメモや記念スタンプ…で出入国できなくなる、本当?

「パスポートに記念スタンプを押したり、メモ書きをしたりすると、出入国の際に問題になることがある」という投稿が話題に。事実かどうか、外務省に聞きました。

パスポートに落書きしたら…?
パスポートに落書きしたら…?

 新型コロナウイルスの世界的流行で事実上、ストップしていた海外との行き来が少しずつ再開しつつあります。ところで、海外旅行に欠かせないのが「パスポート」ですが、以前、SNS上で「パスポートに記念スタンプを押したり、メモ書きをしたりすると、出入国の際に問題になることがある」という投稿が話題になりました。

 事実かどうか、外務省旅券課の担当者に聞きました。

「偽造かも?」と疑われる可能性

Q.パスポートに記念スタンプを押したり、メモ書きしたりすると、どのような問題が起きるのでしょうか。

担当者「パスポートには、出入国印を押したり、査証(ビザ)を貼付したりという、公的な手続きをするためのページがあります。『渡航先』『追記』『査証』と書かれているページですが、そこに何らかの私的な記入をしたり、スタンプを押したりすると、ビザを申請する際に申請を断られたり、外国での入国手続き時に入国を拒否されたりする可能性があります。

そもそも、日本から出国することができなくなる恐れがあります。記念スタンプなど本来の使用目的以外のものがあると、外国の当局によってはパスポートの『真正性』に関わる、つまり、本物かどうか疑念を生じさせる恐れがあるため、出国手続きなどの段階で止められることもあり得ます」

Q.メモ書きやスタンプが問題になって、出入国できなかった実例はあるのでしょうか。

担当者「あります。『渡航先』のページに外国への渡航歴をメモ代わりに記入していたため、『渡航先での入国を拒否される可能性が高い』として、飛行機への搭乗を拒否された人がいます。これは日本からの出国時の話です。

国際線に乗る前、飛行機のチェックイン時にもパスポートを確認されますね。その際、本来必要のない情報がパスポートに書いてあると、『外国に着いたときに入国拒否され、航空会社がまた日本まで連れてくる必要が生じるかもしれない』と判断して、事前に搭乗を断ることがあり得るのです。

また、パスポートに落書きをしていて、外国での入国が拒否された例もあります。最近では、アメリカへの短期渡航時に必要な入国審査制度『ESTA』の申請番号をパスポートにメモしてしまう人がいるようですが、これも問題になり得るので、別の用紙にメモしてください。写真シールもご自身の渡航に支障が生じる可能性があります」

Q.では、パスポートには何も書けないのでしょうか。

担当者「現在のパスポートは裏表紙の内側になりますが、『所持人記入欄』というページだけは所有者本人が記入でき、緊急連絡先などを書くことができます。それ以外のページは、所有者が書き込むことは想定されていません」

Q.もし、誤ってメモを書いたり、子どもが落書きをしたりしてしまった場合、交換などの対処法はありますか。

担当者「そのような理由での交換はできないと思います。例えば、本籍(都道府県)が変わった、氏名が変わったといった理由の場合は記載事項の変更手続きが可能で、有料ですが、新たにパスポートを取り直すよりは安い手数料で手続きができます。しかし、所定のページ以外にメモを書いたり、落書きをしてしまったりした場合は、新たにパスポートを取り直した方がよいと思います」

Q.厳しいのですね。

担当者「偽造、変造されたパスポートと思われる可能性があるからです。日本を含め、各国いずれもパスポートが真正なものであるか、所持人、つまり、名義人の持ち物であるかということはとても大切な情報です。真正なものか疑義が生じた場合、先述したように、国によっては受け入れをしない可能性がありますし、そういう可能性があると判断されれば、飛行機にも搭乗できない事態もあり得ます。

パスポートはしっかり管理していただいて、小さいお子さんがおられるご家庭では、親御さんが管理し、間違って何かを書くことのないよう、注意していただければと思います」

Q.そのほか、パスポートの適切な保管法や取り扱いについて教えてください。

担当者「防虫剤と一緒にしまわないでください。ラミネート部分が変色する可能性があり、外国の出入国管理の当局者が見たときに、状態によっては本物かどうか疑義を持たれる可能性があります。また、パスポートにはICチップが入っていますので、磁気の影響を受ける可能性があるテレビの上や電子レンジの上には置かないようにしてください。

パスポートは日本政府が所有者の日本国籍、身分を証明するものです。海外で事件事故に遭遇した場合なども想定して、その国の外国政府に保護を要請するという内容も書かれている文書であり、大切な証明書です。盗難に遭うと国際犯罪に悪用される危険性もあり得ますので、国内外いずれでも管理をしっかり行っていただければと思います」

(オトナンサー編集部)

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