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営業妨害では? 一般人による「自粛警察」行為、法的責任を問えないのか

抑止力としての厳罰化には限界?

Q.自粛警察のような行為は以前から度々起きていますが、そのままにされ続けると世の中に「問題のない行為だ」という空気感が生まれかねません。法的に厳しくして抑止力にするには限界があるのでしょうか。

牧野さん「限界があります。自粛警察のような行為には、実際には違法行為があると思われます。

しかし、捜査機関としては、被害届と証拠(張り紙がどこの誰により行われたという本人確認と証拠が映った防犯カメラのビデオなど)がないと、捜査が開始しづらいという事情があります。小規模の飲食店など店側では、このような設備に投資することは期待できないでしょう。

また、店側も客商売であり、客として戻ってくる可能性もあるので、いちいち目くじらを立てて被害届や告訴をして追及することで『あの店はそういう店だ』と悪評が立つことを恐れてちゅうちょするという事情もあるのではないでしょうか。

そのため、警察が積極的に摘発することを期待するのは難しいでしょう。ただ実際には、マスコミが大きく報道することで、『自分たちは違法なことを行っている』と本人に認識させる効果は上がっているのではないでしょうか」

(オトナンサー編集部)

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牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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