藤竜也、そば作りの練習に20日間「延ばすこと、切ることが難しい」
映画「コンプリシティ/優しい共犯」に出演する藤竜也さんに、オファーの感想や、そば作りの練習などについて聞きました。
映画「コンプリシティ/優しい共犯」に出演する俳優の藤竜也さん。同作は、中国人青年チェン・リャン(ルー・ユーライさん)は技能実習生として来日しますが、劣悪な職場環境を逃げ出してしまいます。チェンは他人になりすまし、弘(藤さん)が営むそば屋で働き始め、弘と親子のような関係を築いていきますが、チェンに警察の手が迫り…中国人青年とそば屋の店主の交流を描いた人間ドラマです。
オトナンサー編集部では、藤さんに単独インタビューを実施。オファーの感想や、脚本で気に入ったところ、そば作りの練習などについて聞きました。
監督や脚本家の才能で生きている
Q.オファーを受けていかがでしたか。
藤さん(以下敬称略)「うれしかったです。以前、別の作品で近浦啓監督とご一緒して、一度使ったのでもう使いたくないと思われたのかなと思ったら、お声を掛けてくれました(笑)」
Q.脚本のどんなところが気に入りましたか。
藤「魂を感じました。監督の撮りたいものはこういうものなんだなというのが、脚本から感じられました。僕は、監督さんや脚本家さんの才能で生きているようなものですから。その才能に頼るわけです(笑)」
Q.ルー・ユーライさんと共演されていかがでしたか。
藤「チャーミングでした。そして切なさを感じるまなざしでした。俳優としてもああいうまなざしの人はあまりいません。生まれつきなのか、うらやましいです。普段は控えめな青年で余計なことを言わないし、自分のすべきことをしていました」
Q.そば作りの練習は、どれくらいされたのでしょうか。
藤「20日くらいですね。そばを打てるようになれば、しめたものだと思っていました」
Q.そば作りで面白かったことは。
藤「最初は大丈夫かなと思うくらいできませんでした。でも、地元のそば打ち名人の方がついてくださり、だんだん打てるようになって楽しかったです。こねるのは、力があるし、陶芸もしていたので苦労しませんでした。延ばすことと切ることが難しかったです。
0.2ミリまで延ばすんですが、それが0.1ミリだったり0.3ミリだったりすると、彼らには分かるんですね。大して変わらないんじゃないかと思いましたが、慣れていくと分かるようになりました」
Q.そば作り以外で役作りにされたことはありますか。
藤「あまりないですね。ユーライさんという異邦人に出会ったときに、そば屋のおやじがどう感じるか、弘に任せました」
Q.「任せる」について具体的に教えてください。
藤「多重人格になるんです。体の中に2人いるみたいになります」
Q.「技能実習生」制度についてはご存じでしたか。
藤「知っていました。やっぱりウィンウィンにすべきだと思います。でも僕らが考えても仕方ありません。政治レベルで解決していくことだと思います。
映画の背景に技能実習生があり、そこから人間ドラマが生まれます。そば屋のおやじは、中国からの来訪者に『こんな果ての島までよく来てくれた』という思いを持っています。日本人の根底には、来訪者にそんな感謝の気持ちがあるのではないでしょうか。
おもてなしが強く出るのは、東の果ての島国だからだと思います。しかも、花とそばしかない山村に来てくれて、『よく来てくれたね、ありがとう』ともてなすことが僕らができることだと思いました」
Q.監督とのお仕事はいかがでしたか。
藤「楽しかったです。映画を作る仲間として敬意を払っています。長編で、しかも中国と合作でエネルギーがすごいと思いました。そして、こんなにエネルギーを使う仕事は何度もできるもんじゃないと思いました」
映画「コンプリシティ/優しい共犯」は全国公開中。
(オトナンサー編集部)
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