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KOC王者・どぶろっく、賛否両論“下ネタ”の弱点を克服 新たなスペシャリストへ!

女性が安心して笑える下ネタ

 どぶろっくとはどういう芸人なのか、一言で説明するなら「下ネタのスペシャリスト」です。彼らはこれまでも、下半身周りのことや女性への性的な欲望などを歌ネタにしてきました。見知らぬ女性が自分を誘惑しているのではないかという、男の妄想を歌い上げた「もしかしてだけど」は彼らの出世作となりました。

 そういう「性的な欲望」を主題とする下ネタは、女性にとっては生々しすぎて不愉快に感じられることがあります。これがどぶろっくの弱点でした。

 しかし、今回のネタでは、その弱点が見事に克服されています。「大きなイチモツ」にこだわる男性の滑稽さを笑うネタなので、女性への性的な視線が含まれていません。だから女性でも安心して笑えるのです。

 また、彼らのネタは構成力にも優れていました。同じフレーズの繰り返しは単調になってしまうものですが、途中に曲調が変わるようなところもあり、最後まで飽きさせない工夫がなされています。

 下ネタは安易な笑いだと思われやすいですが、どぶろっくが見せたネタは決して安易なものではなく、細部までよく考えられたものでした。審査員もそこを評価して高得点を付けたのでしょう。どぶろっくには“下ネタのスペシャリスト”として、これからも笑いの新たな可能性を追求してほしいと思います。

(お笑い評論家 ラリー遠田)

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ラリー遠田(らりー・とおだ)

作家・ライター/お笑い評論家

1979年名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ、お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など、多岐にわたる活動を行っている。「教養としての平成お笑い史」(ディスカヴァー携書)「とんねるずと『めちゃイケ』の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論」(イースト新書)など著書多数。

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