映画「多十郎殉愛記」、高良健吾&多部未華子の一番の挑戦はどんなこと?
映画「多十郎殉愛記」主演の高良健吾さんと、ヒロインを務めた多部未華子さんにインタビュー。中島貞夫監督の20年ぶりの映画に出演できた感想などについて聞きました。

映画「多十郎殉愛記」で主演を務めた高良健吾さんとヒロインを務めた多部未華子さん。同作は、長州藩を脱藩した清川多十郎(高良さん)は、おとよ(多部さん)が切り盛りする居酒屋「満つや」の用心棒をしながら生活しています。町方からの注進で多十郎の素性を知った見廻組は多十郎の襲撃を企て…「木枯らし紋次郎」「極道の妻たち」シリーズなどを手がけてきた中島貞夫監督の20年ぶりの長編映画です。
オトナンサー編集部では、高良さん、多部さんにインタビューを実施。中島監督の20年ぶりの映画に出演できた感想や、今作での挑戦などについて聞きました。
高良「説明的ではないのが潔い」
Q.中島監督の20年ぶりの作品に出られる率直な感想は。
高良さん(以下敬称略)「中島監督の作品はずっと見ていましたし、東映の太秦で撮られていた監督と仕事ができるのがラッキーだと思いました」
多部さん(同)「中島監督はもちろん、スタッフさん全員の意気込みが強くて、そんな作品に出させていただけることが光栄でした」
Q.台本を読まれた感想を教えてください。
高良「シンプルというか、こんな言い方をしていいのか分かりませんが、『説明的ではないのが潔い』というイメージでした。心配は全くしていませんでした。この台本で作品を作るということですから。現場でも、中島監督の潔さ、シンプルなすごさを感じました」
多部「シンプル。まさにその通りで、良い意味で分かりやすい話という印象です。おとよが今までの自分のイメージにないキャラクターで、なぜ私が、という疑問がありました」
Q.おとよを実際に演じられていかがでした。
多部「この作品に限らず、どの役もいつも難しいと思っています。今回の町娘の所作はとても難しかったですし、多十郎への愛といいますか、ブレないところといいますか、そういう部分が難しいと思いながら現場にいました」
Q.当時の所作で面白かったもの、初めて知ったものなどはありましたか。
高良「ルールがないことにびっくりしました。ただ、『こっちの方が色気がある』『こっちの方が面白い』など要所要所で監督からの指示はありました」
多部「手の表情を大事にするように監督から言われ、難しかったです。どのタイミングでどう見せるのか。町娘の所作は結構雑で、何が正しくて何がルール違反なのか分からず、すごく難しかったです」
Q.今作での一番の挑戦はどんなことでしたか。
高良「僕は殺陣(たて)です。僕が見てきた殺陣はきれいなものでした。斬るのが目的ですから。ただ、多十郎は斬ることが目的ではなく、おとよとかずまを逃がすための一振りだったり、自分の道を開くための一振りだったり、大人数を蹴散らすための一振りです。殺陣で魅せなければならないのが挑戦でした」
多部「私は母性です。子どもを持つ役とかそういったことではなく、ずっと思い続けている人に対する母性は分かりやすく見えるものでもないですし、子どもをあやす母性でもありません。そのような母性の伝え方が難しかったのですが、最初から最後まで監督が母性についておっしゃっていたのでそれを頭に入れていました」
Q.現場の雰囲気はいかがでしたか。
高良「スタッフ全員が監督のために頑張っていました。それが見えるんですよね。作品とはそういうものだと思うのですが、監督のために人生の時間を使いたいと思える現場という気がしたので毎日胸が熱くなる。そんな現場でした」
多部「まさに同じです。中島監督愛にあふれているというか、本当にすごかったと思います。雰囲気そのもの、空気感が愛にあふれている。こういう経験は、なかなかできないのではないかと思った不思議な時間でした」
映画「多十郎殉愛記」は公開中。
(オトナンサー編集部)
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