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快進撃を見せる「BiSH」、個性あふれるメンバーにファンはなぜ引かれるのか?

デコボコな個性の絶妙なバランス

 楽曲の衣装は基本的に統一されているBiSHですが、メンバーそれぞれの個性が際立っているのも魅力の一つです。

 結成当初からのファンは、彼女たちの魅力を「個性がデコボコ」と表現し、各メンバーのバランスがうまくかみ合っていると話します。そして、パフォーマンス力の高さもさることながら、常に成長と変化を続ける「完全なる『未完成』」であることが、応援したくなる理由だといいます。

 歌のパート割りでメインを任される機会の多いアイナは、BiSHそのものを表すかのような存在感を発揮しています。一度耳にしたら記憶に残るハスキーボイスが武器のアイナは、ソロでCMソングを担当するなどボーカリストとしての地位を確立。さらに、彼女が手がける振り付けは、客席の盛り上がりを考慮して、「サビでは基本的に頭の上に手がある」ことが多く、ライブ会場全体に一体感をもたらしています。

 まっすぐな歌声で存在感のあるチッチは、かつてキャプテンを務めていたものの、ダイエット企画で降格させられたという苦い経験を持っていますが、今なおグループ内で重要な発言を任されるなど持ち前のリーダーシップを見せています。

 モモコはメンバー内で歌詞の採用数が最も多く、先述の著書や2018年4月発売の文芸誌「文学界」に掲載されたコラムなどで文才を発揮しています。

“無口担当”で引っ込み思案な印象のあるリンリンは、ライブで披露する代表曲「GiANT KiLLERS」の冒頭で、「お前らの喉ちんこ、焼き殺してやるからな!」と過激なあおりで豹変(ひょうへん)するギャップが持ち味です。

 メガネが特徴的なハシヤスメは、ワンマンツアーではコントコーナーの中心として振る舞い、過激な歌詞の楽曲「NON TiE-UP」のソロパートなどでは伸びやかな歌声を披露しています。

 グループに一番遅く合流したアユニは、2018年9月にベース&ボーカルとして自身のソロプロジェクト「PEDRO」を始動して以降、歌声の変化が目立ち、BiSHの“成長のバロメーター”のような存在になっています。

 テレビ番組出演などもある一方で、多くのファンが求めているのは、ライブのパフォーマンスを通した彼女たちの“生きざま”そのものです。今年2月、「週刊文春」でアイナのスキャンダルが報じられましたが、多少の賛否両論はありながらも、炎上するどころか“ほぼノーダメージ”だったのは、その証拠と言えるかもしれません。

 BiSHはかねてより、日本武道館を目標の一つに据えています。いまだ実現されていないにもかかわらず、武道館のキャパシティーをはるかに超える幕張メッセ国際展示場での公演を成功させるなど、どこか道筋が読めないことも、不思議と引きつけられる理由です。自分たちの手で未来を築き上げていくBiSHの活躍を見守るのは、今からでも決して遅くはありません。

(編集者・ライター カネコシュウヘイ)

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カネコシュウヘイ

編集者・ライター

1983年11月8日生まれ。埼玉県在住。成城大学出身。2008年に出版業界へ入り、2010年に独立してフリーランスに。以降、Webや雑誌でエンターテインメント系分野を中心に取材や記事執筆に注力する。月平均4~5回ほど、自らチケットを取ってライブへ足を運ぶほど現場主義のアイドル好き。自分にとって、アイドルがいなかったら「これほどまでに他人の人生で一喜一憂することはなかった」と痛感。著書に「BABYMETAL追っかけ日記」(鉄人社)。ツイッター(https://twitter.com/sorao17)。

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