おやつをあさる子を発見…怒らない“しつけ方法”を説く漫画に「参考にしたい」と反響
子どもがルールを守らなかった際の関わり方を描いた漫画が話題に。おやつを探そうと引き出しをあさっている子どもを発見した男性は…。

子どもがルールを守らなかった際の関わり方を描いた漫画がSNS上で話題となっています。おやつを探そうと引き出しをあさっている子どもを発見した男性。しかし、子どもを叱らずになぜそんなことをしたのか問いかけ…という内容で「参考にする」「叱る誘惑に勝てない大人が多い」「いろいろな場面で応用できる」「自分を見つめ直す機会だった」などの声が上がっています。作者の男性に聞きました。
接し方が分からない人を手助けしたい
この漫画を描いたのは、きしもとたかひろ(ペンネーム)さん(31)です。放課後児童支援員(学童保育の支援員)として働きながら漫画やイラストを描いています。
Q.漫画やイラストを描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
きしもとさん「子どもの頃から描いています。一時期、絵描きになろうと思い立ち、現在の仕事を一度辞めたこともあります」
Q.なぜ、教育に携わる仕事を選んだのでしょうか。
きしもとさん「高校生の頃、父が少林寺拳法の道場を開設したことがきっかけです。私も子どもたちに教えていましたが、そこで出会った保護者の方から教育関係の仕事を勧めてもらい、専門学校に行きました。ただ、次第に学校で習った保育の理想と、子どもたちが伸び伸びできない保育・教育業界とのギャップに疑問を抱くようになりました。
卒業後は学童保育で働き、その後、障害福祉やデザインの仕事、カメラマンなどさまざまな職種を経験しました。やはり、現状の保育・教育業界を変えたいと思い、5年前に保育業界に戻りました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
きしもとさん「実際に子どもがルールを守らなかった際に、どう接したらいいか分からないという方の手助けになればと思い、描きました。私が子どもとの日々の関わりで気をつけようと思っていることについてまとめています。
漫画はあくまで問題を解決するヒントの一つとして役立ててもらえればと考えています。『この方法を必ず実践しなければならない』『この方法でなければダメ』ということを言いたいのではありません」
Q.子どもと接する上で難しいと感じることは。
きしもとさん「保育は難しいことだらけです。『あの時はこうしておけばよかったのか』『あの時にあれはしちゃダメだったな』と毎日失敗して反省して悩んで…というのを繰り返しています。そういう仕事なんだと思います」
Q.反対にうれしいと感じることは。
きしもとさん「子どもが、僕たち大人の想定を超えた成長を見せた時です。『大人の思い通りさせなくても子どもは自分たちで育つんだ』と実感し、うれしくなります」
Q.怒りたくなったりストレスを感じたりした際に、自分の気持ちをどうコントロールしていますか。
きしもとさん「仕事だと思っているからか、思い通りにいかないことが当たり前だと思うようにしているからか、子どもの言動にストレスを感じたり、怒ったりすることはあまりありません」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
きしもとさん「『私も気をつけています』『職場や夫婦間など普段の人間関係でも大切』『そんな関わりがしたいけれど現実は難しい』『したいけれど余裕がない』などの意見が寄せられました。方法論だけで解決しないことがあり、根本的な問題が深いのだと改めて感じました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
きしもとさん「漫画は描き始めたばかりなので今後も継続していきたいです。保育・教育業界が少しでもよくなっていくことを目標としており、漫画は教育に関する現状や課題を表現する上での一つのツールと捉えています。子どもの力を信じる関わり方が増えるきっかけや力になれればと考えています」
(オトナンサー編集部)
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