田中直樹“うつ”を「身近に感じられた」 「うつヌケ」で考え方に変化
Huluオリジナルドラマ「うつヌケ」主演のお笑いコンビ・ココリコの田中直樹さんに単独インタビュー。「うつ」に対する捉え方の変化などについて聞きました。

Huluオリジナルドラマ「うつヌケ」に主演する、お笑いコンビ・ココリコの田中直樹さん。同作は漫画家の田中圭一(田中さん)が、うつとは無縁のアシスタント・カネコ(大後寿々花さん)と共に、サラリーマンや専業主婦、フリーターなど各話に登場するゲスト出演者の「うつヌケ」体験をレポートするドラマです。
オトナンサー編集部では、田中さんに単独インタビューを実施。原作漫画の感想、作品に関わる前後の「うつ」に対する捉え方の変化などについて聞きました。
誰の心にも、うつの種はある
Q.原作の感想をお願いします。
田中さん(以下敬称略)「『うつ』についてちゃんと分かっていなかったという思いです。自分はこれまで、うつと診断されたことがなかったので遠い話かと思っていましたが、見てみると僕の中にもうつの種はあり、誰の心にもうつの種はあります。
これまでの人生で、落ち込んだり苦しんだり、そういう状態が続いた時がありましたが、『うつです』という診断をされなかっただけで、診断されていたかもしれないし、うつのトンネルの入り口にいたのかもしれないと思うと、身近に感じられました」
Q.完成したドラマを見てどう思われましたか。
田中「うつになるきっかけ、うつを抜けるきっかけが全員違います。人それぞれケースが違うんだなと感じました。また、うつになるとどういう症状が出て、どういう世界が見えるのか、分かりやすくなっていると思いました。
僕は『うつヌケが原』という、うつが抜けた人たちが出るところにいるんですが、抜けてきた爽快感や安堵感が伝わるような最後になっていると思いました」
Q.作者の田中圭一さんとはお会いになりましたか。
田中「10年間うつと闘ってきた方ですので、すごく穏やかな方で、いろいろなことを受け止めてくださる方という印象を受けました。また、先生は大阪の枚方出身で僕は豊中なので、大阪の話や、昆虫がお好きで僕も生き物が好きなので、生き物の話をしました」
Q.「田中圭一」というキャラは、漫画のキャラに合わせられたのでしょうか、それとも、原作者の田中圭一さんに合わせられたのでしょうか。
田中「先生もおっしゃっていたのですが、本人と漫画の田中圭一さんは別物だったりするので、どちらかというと、漫画の雰囲気の田中圭一に寄せるといいますか、その雰囲気を大事にしました。田中先生とはまたちょっと違う印象なので」
Q.どのような方々に見てもらいたいと思われますか。
田中「今『しんどい』と思っている方もそうですし、この作品で誰にでも種があると思えたので、そう思うと、予防線を張ったり対処法を知れたりすると思います。そういう人に見てもらえると、生きるのが楽になる作品だと思います。
また、自分のことが好きになってもらえる作品だと思うので、幅広い人に見てもらいたいです。誰にでも起こりうることなので」
Q.うつに対して認識の変化はありましたか。
田中「『こうじゃなきゃいけない、ああじゃなきゃいけない』と思うのは止めよう、と。それに縛られていると、そこから抜けられなくなったりして、自分を責めて自分を嫌いになっていくと思います。
こうじゃなきゃいけないけど、自分はこうしかできない。それでもいいじゃないかと思うと、楽になると思うんですね。決めつけない生き方をしていけばいいかなと思います」
Q.どんなことをしている時がリフレッシュになりますか。
田中「好きなものに触れる。僕は生き物が好きなので、生き物の番組を見るか本を読んでいる時です。家にいて気持ちが上がらない時は、外に出て散歩したり、お茶をしたりして気分を変えます。面倒くさいと思っても、外に出た方が気分転換になります」
ドラマ「うつヌケ」はHuluで配信中。
(エンタメチーム)
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