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「なりたい職業」上位の声優、その魅力と難しさをプロに聞く

アニメ声優にはタレント性も求められる

 オーディションにおいても吹き替えとアニメには違いがあるようです。

 小松さんによると、ハリウッド映画の劇場版吹き替え作品には「ボイスマッチ」と呼ばれる審査があるそうです。これは主要キャラクターの声優を決める際に、日本語版の監督が実績ある役者や新人を選び、最終決定権を持ったハリウッドの原作監督に声を紹介する形式。「俳優本人と声質がどれだけ似ているのか」も判断材料になるといいます。

 一方、アニメではタレント性が求められることもあるようです。「アニメ放送だけでなく、CDやDVD、ゲーム、ラジオ、イベントなどの派生コンテンツも視野に入れたオーディションが行われます」(小松さん)。芝居はもちろん、歌やダンス、フリートークもできる人材が期待されるそうです。

 キャリアコンサルタントとして、10~20代の声優志望者と関わることも多いという小松さん。「アニメにしか興味がないという子もいて、もったいないなと感じます。可能性をもっと広げてほしいですね」と話します。

 アニメや吹き替え、ナレーションなどさまざまな仕事を経験し、声だけですべてを表現する、小松さんの“役者魂”を感じました。

(オトナンサー編集部)

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小松美智子(こまつ・みちこ)

精神保健福祉士、キャリアカウンセラー、株式会社メンタル・キャリア・ライド代表

1978年広島市生まれ。成蹊大学法学部卒業後、テレビ局で7年間アナウンサーとして勤務。その後、精神保健福祉士、キャリアカウンセラーとして都内の精神科クリニックや地域福祉施設で、精神疾患に悩む当事者やご家族への心理・キャリアカウンセリング、心理検査、福祉相談業務に携わる。現在は専門医と業務連携しながら、主に発達障害を持つ大人に向けて発達知能検査WAISを通した能力特性や認知機能理解、環境設定コンサルティングに取り組む。固有の認知機能や能力特性差からのコミュニケーション齟齬(そご)予防、メンタルヘルスケアのための講演・講義に力を入れる。

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