サイコパスからパワハラ、クズまで…冬ドラマに“ドS男子”がそろった理由
1月スタートの冬ドラマも中盤。「きみが心に棲みついた」の星名漣、「トドメの接吻」の堂島旺太郎ら、主人公やヒロインを振り回す強烈な“ドS男子”が一つのキーワードに浮上しています。

1月スタートの冬ドラマが中盤に入る中、一つのキーワードが浮かび上がってきました。それは主人公やヒロインを振り回す強烈な“ドS男子”。
「きみが心に棲みついた」(TBS系)の星名漣(向井理さん)、「アンナチュラル」(TBS系)の中堂系(井浦新さん)、「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)の高梨雅也(斎藤工さん)、「ホリデイラブ」(テレビ朝日系)の井筒渡(中村倫也さん)、「トドメの接吻」(日本テレビ系)の堂島旺太郎(山崎賢人さん)。
いずれもイケメン俳優が極端にサディスティックなキャラクターを演じているのです。しかも、星名はサイコパス系、中堂はパワハラ系、高梨は上から目線系、井筒は暴力系、堂島はクズ系とタイプも多彩。
なぜここまでタイプの異なるドS男子がそろったのでしょうか。
意外な汎用性を持つドS男子
元々、ドS男子は漫画やアニメで定番の人気キャラ。特に女性はイケメンが見せる強気の言動に色気を感じ、「私も言われてみたい」とドキドキしたり、「もし現実にこんな男がいたら……」と妄想したり、「こんなとんでもない男、罰を与えてほしい」と怒りを感じたり。感情を揺さぶられることで物語にのめり込んでいく傾向があります。
ドラマも非日常的な物語という点では、漫画やアニメと同様。しかも生身のイケメンが演じることで、女性視聴者たちはさらに臨場感を得られるのです。たとえば、「きみが心に棲みついた」の星名がオフィスで小川今日子(吉岡里帆さん)を押し倒し、罵倒するシーンは、思わず「自分に置き替えてしまう」ほどの迫力がありました。だからこそ、「星名は許せない」「なぜ今日子は逃げられないのか」などの強い感情が芽生えるのでしょう。
もう一つの理由は、ドS男子ならではの汎用性。「きみが心に棲みついた」の星名と「トドメの接吻」の堂島は存在そのものが作品のコンセプトになっているほか、「アンナチュラル」の中堂と「BG」の高梨は、キャラのコントラストやぶつかり合うシーンで主人公を輝かせていますし、「ホリデイラブ」の井筒は物語をかき回すことで強烈なアクセントになっています。
また、ドS男子の描き方が多彩になっていることも見逃せません。かつては「アンナチュラル」の中堂や「BG」の高梨のような世間の常識から外れたタイプが多かったのですが、最近は「きみが心に棲みついた」の星名や「ホリデイラブ」の井筒のような「社会や日常生活に適応していながらも、人格に問題あり」というタイプが増えました。このような描き分けができるようになったことも、ドS男子が増えた理由の一つと言えるのです。
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