オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

7日間の自宅待機を求められる可能性も…受験生が濃厚接触者と判定されたらどうする?

新型コロナウイルスのオミクロン株による新規感染者が急増する中、受験生が濃厚接触者と判定された場合、どのように対処すべきなのでしょうか。

受験生が濃厚接触者になったら…
受験生が濃厚接触者になったら…

 新型コロナウイルスのオミクロン株感染者が急増する中、中学や高校、大学の入試が本格的に始まりました。受験生がいる家庭の多くは感染対策を徹底しているとは思いますが、家庭内で感染者が出た場合、受験生本人が濃厚接触者と判定され、7日間の自宅待機を求められる可能性も考えられます。受験を控えている人が濃厚接触者と判定された場合、どのように対処すべきなのでしょうか。医療ジャーナリストの森まどかさんに聞きました。

試験当日無症状なら別室受験可

Q.そもそも、保健所が濃厚接触者を特定する際の基準や、濃厚接触者と判定した人への通知方法について、教えてください。濃厚接触者と判定した場合、本人だけでなく、所属先の学校や職場などにも通知するのでしょうか。

森さん「濃厚接触者と考えられるのは、陽性者と同居している人のほか、陽性者の発症あるいは検査陽性(無症状の場合)の2日前までに、マスクを着用せずに陽性者と近い距離(目安として1メートル以内)で15分以上会話した人や、長時間行動を共にした人などです。

原則として、保健所が陽性者から行動歴を聞き取り、必要に応じて家族や職場、学校などから情報を得た上で、その状況に応じて濃厚接触者を判断し、本人(子どもの場合は保護者)に通知します。特別な事情がある場合は分かりませんが、通常は保健所から濃厚接触者の所属先に連絡がいくことはありません。

しかし、オミクロン株による感染が全国的に急拡大している現在、感染が拡大している地域では保健所の業務負担が大きくなり、処理能力を超えることもあり得ます。そのため、自治体の中には、行動歴の聞き取り調査を実施せず、陽性者本人から濃厚接触者の可能性が高いと考えられる人に連絡をお願いするケースが増えています」

Q.濃厚接触者と判定された場合の待機期間について、教えてください。待機期間中に外出したり、公共交通機関を使ったりした場合、何らかのペナルティーを受ける可能性はあるのでしょうか。

森さん「現在、国の対策では、濃厚接触者には陽性者と最後に接触した日の翌日から7日間、自宅療養者の同居家族は、陽性者が発症した日または家庭内でマスク着用などの感染対策を始めた日の翌日のいずれか遅い方から7日間(発症しなかった場合)、自宅待機(外出の自粛)と10日間の健康観察が求められます。ただし、医療従事者と、いわゆるエッセンシャルワーカー(社会機能維持者)は、一定の要件を満たせば待機期間の短縮が認められています。

待機期間中は、(1)公共交通機関の使用を控えること(2)通学や通勤を控えること(3)生活必需品や食料などの買い物が必要な場合はマスクを着用し、人との接触を極力避け短時間で行うこと―などが要請されますが、これらの通りに生活をしなかった場合の罰則はありません」

Q.濃厚接触者と判定された受験生について、文部科学省は各学校にどのような対応を求めているのでしょうか。受験を控えている人が、家族や知人が感染したことで濃厚接触者と判定された場合、どのように対処すべきでしょうか。

森さん「文科省は、無症状の濃厚接触者である中学、高校、大学などの入学試験受験者について、(1)自治体などによる行政検査(PCR検査など)の結果、陰性であること(2)受験当日も無症状であること(3)公共の交通機関を利用せず、かつ、人が密集する場所を避けて試験場に行くこと(4)終日、別室で受験すること―といった条件を満たせば受験が認められることを関係機関に通知し、別室での感染対策のほか、追試験や振替日程を設けるなどの措置を各学校に求めています。

また、文科省は1月31日、『行政検査が受けられなかった受験生も、本人が抗原検査キットで陰性を確認すれば受験可能、キットの入手が難しい場合は試験当日に無症状であれば受験可能』とする見解を示しました。ほとんどの学校で、受験生が濃厚接触者となったことを理由に受験機会を失わないよう対応しているので、受験する学校に申し出て指示を受けてください。

試験会場まで自家用車やレンタカーなどでの移動が難しい場合、感染対策を講じた上で濃厚接触者の予約を受け付けているタクシー会社などの利用も可能です。タクシー会社などに予約の相談をする際には、濃厚接触者であることを必ず伝えてください。予約可能なタクシー会社がどうしても見つからない場合は、文科省のホームページに相談窓口の連絡先が掲載されているので、そちらへ問い合わせてください」

Q.では、濃厚接触者と判定された人が、その旨を事前に学校側に伝えないまま待機期間中に受験した場合、どうなるのでしょうか。試験に合格しても、合格が取り消される可能性はあるのでしょうか。

森さん「受験した学校の判断によって異なると思うので、分かりません。ただ、健康観察期間中の濃厚接触者は感染の可能性が否定できない状態であり、それを隠して多数の受験生と同じ会場で受験することは、『新型インフルエンザ等対策特別措置法』で定められている『事業者および国民は、新型インフルエンザ等の予防および感染の拡大の防止に努めるとともに、新型インフルエンザ等対策に協力するよう努めなければならない』とは相いれない行動であると考えられます」

Q.濃厚接触者の特定をやめた自治体や、感染者本人に特定を任せる自治体に住んでいて、周囲の人が感染した場合、自分が濃厚接触者に該当するのか分からないケースも想定されます。その場合はどのように対処するのが望ましいのでしょうか。

森さん「同居する家族などの感染で、自身が濃厚接触者である可能性が高い場合、症状があれば、かかりつけ医あるいは発熱外来がある診療所や病院に電話で相談し、受診しましょう。検査を受けて陰性だった場合も濃厚接触者としての行動が求められます。また、無症状の人や検査で陽性かどうか確認できなかった人も、『自分も感染している可能性がある』と思って行動することが求められます。

具体的には、先述のように、陽性者との最終接触日の翌日から7日間は外出を控え(同居家族や医療従事者、エッセンシャルワーカーはこの限りではなく、先述の通り)、他の人と接触しないようにします。また、10日間経過するまでは1日2回程度体温を測り、発熱やせき、喉の痛み、頭痛、鼻水、吐き気などの体調の変化があれば、かかりつけ医や発熱相談センターに電話で相談し、指示を受けてください。オンライン診療を導入している医療機関もあります。

一方で、今回のオミクロン株のように、若年者で基礎疾患のない人たちがおおむね軽症か無症状で回復する特性を持つ株の感染急拡大により、これまでにない数の感染者が確認されていることから、『その株の特性を考慮した上で、濃厚接触者の定義や対応を見直して社会機能の低下を防ぐことも重要』という意見も多く、臨機応変な対策が求められています。待機期間について独自の方針を示す自治体もあり、今後、濃厚接触者の扱いは変わる可能性がありますので、最新の情報を、自治体のホームページなど信頼できる情報源で確認するようにしてください」

(オトナンサー編集部)

1 2

森まどか(もり・まどか)

医療ジャーナリスト、キャスター

幼少の頃より、医院を開業する父や祖父を通して「地域に暮らす人たちのための医療」を身近に感じながら育つ。医療職には進まず、学習院大学法学部政治学科を卒業。2000年より、医療・健康・介護を専門とする放送局のキャスターとして、現場取材、医師、コメディカル、厚生労働省担当官との対談など数多くの医療番組に出演。医療コンテンツの企画・プロデュース、シンポジウムのコーディネーターなど幅広く活動している。自身が症例数の少ない病気で手術、長期入院をした経験から、「患者の視点」を大切に医師と患者の懸け橋となるような医療情報の発信を目指している。日本医学ジャーナリスト協会正会員、ピンクリボンアドバイザー。

コメント