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影のある女優・有村架純、その魅力はミステリアスなキャラクターにあり

映画「るろうに剣心」シリーズ、「花束みたいな恋をした」などヒット作への出演が続く有村架純さん。その魅力は“ミステリアス”な一面だと筆者は解説します。

有村架純さん(2020年1月、時事)
有村架純さん(2020年1月、時事)

 女優・有村架純さんの活躍が注目を集めています。佐藤健さん主演の映画「るろうに剣心 最終章 The Final」が興行収入40億円を突破。同作は和月伸宏さんの同名コミックを実写化したアクション超大作「るろうに剣心」シリーズの最新作です。原作の「人誅篇」をベースに、新田真剣佑さん演じる最恐の敵・雪代縁との戦いを描いた「The Final」、原作では剣心が過去を語る形で物語が進む「追憶篇」をベースに“十字傷の謎”に迫る「The Beginning」の2部作から構成された最終章で、有村さんは重要な鍵を握る雪代巴を演じています。

 同作の他、映画「花束みたいな恋をした」やドラマ「コントが始まる」(日本テレビ系)など、今年に入り、多くの作品で有村さんの姿を目にする機会が増えています。

ブレークのきっかけ「あまちゃん」

 有村さんは高校在学中に芸能事務所フラームのオーディションに合格し、2010年放送のドラマ「ハガネの女」(テレビ朝日系)で女優デビュー。2013年にNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、小泉今日子さん演じる天野春子の若かりし頃を演じたことがきっかけでブレークを果たし、2014年のジブリ作品「思い出のマーニー」で声優としてダブルヒロインの一人を演じたこと、若い女性を中心に絶大な支持を受ける少女漫画「ストロボ・エッジ」の実写映画でヒロインに抜てきされたことで、一躍、その名を世間に知らしめました。

 2015年には映画「ビリギャル」で金髪ギャルを演じたことが評価され、「第39回日本アカデミー賞」で優秀主演女優賞と新人俳優賞をダブル受賞。2017年の「ひよっこ」で、今度はヒロインとして朝ドラに舞い戻るなど着実にキャリアを積み上げてきました。

 その後、2018年放送の「中学聖日記」(TBS系)では、婚約者がいながら純粋な恋心をぶつけてくる教え子に引かれてしまう中学校教師を、同年公開の映画「コーヒーが冷めないうちに」では、訪れた客が望んだ過去に戻すことができる不思議な力を持った喫茶店のウエートレスを体当たりで演じました。

 そして、今年話題となったのは菅田将暉さんとダブル主演を務めた映画「花束みたいな恋をした」です。

 恋愛ドラマの金字塔「東京ラブストーリー」(フジテレビ系)をはじめ、「最高の離婚」(同)、「カルテット」(TBS系)、「大豆田とわ子と三人の元夫」(関西テレビ・フジテレビ系)など、いずれも高い評価を受けている脚本家・坂元裕二さんによるオリジナルストーリーで、有村さん、菅田さん演じる20代男女の5年間にわたるリアルな恋を描いた本作は公開後3カ月以上、トップ10入りを果たし、興行収入37億円突破の大ヒットを記録しました。

 さらに、先日、最終回を迎えたドラマ「コントが始まる」では、菅田さん、神木隆之介さん、仲野太賀さんの3人が演じるお笑いトリオ・マクベスの“オタク”である里穂子を好演。同ドラマはオリコンの「ドラマ満足度ランキング」でトップ3入りを果たすなど良作として注目されました。里穂子は一見、チャーミングですが、彼氏に浮気をされていた上にフラれ、仕事でもトラブルの責任を負わされるなど、壮絶な過去を抱えているという役どころです。

 今年秋に放送予定の「前科者」(WOWOWプライム)では主演を務めることが決まっており、罪を犯してしまった人や非行少年の社会復帰を手助けする保護司の主人公・阿川佳代を演じる有村さん。佳代はコンビニエンスストアで勤務しながら、ボランティアで保護司をやっているのですが、原作序盤では、なぜ、彼女がそのような生活を送っているかは明らかにされず、作品もキャラクターも違えど、「コントが始まる」の里穂子と同様にその過去は謎に包まれています。

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苫とり子(とま・とりこ)

エンタメ系ライター

1995年、岡山県生まれ。東京在住。学生時代に演劇や歌のレッスンを受け、小劇場の舞台に出演。IT企業でOLを務めた後、フリーライターに転身。現在は「Real Sound」「AM(アム)」「Recgame」「アーバンライフメトロ」などに、エンタメ系コラムやインタビュー記事、イベントレポートなどを寄稿している。

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