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水原希子“役者”として挑んだ「彼女」 役者ではない…自分の価値観変えた作品

Netflixオリジナル映画「彼女」ダブル主演の水原希子さん、さとうほなみさんに、撮影への不安や演じた役と似ているところなどを聞きました。

さとうほなみさん、水原希子さん(撮影:齋藤さおり)
さとうほなみさん、水原希子さん(撮影:齋藤さおり)

 Netflixオリジナル映画「彼女」でダブル主演を務める俳優の水原希子さん、ミュージシャンで俳優のさとうほなみさん。同作は、裕福な家庭に生まれ育った永澤レイ(水原さん)は同性愛者であることを家族に言えず、生きづらさを感じています。ある日、高校時代に思いを寄せていた篠田七恵(さとうさん)と再会。夫からのDVで全身あざだらけになった七恵を見たレイは七恵を救うため、彼女の夫を殺害し、一緒に逃避行の旅に出ますが…中村珍さんの漫画「羣青」の実写化作品です。

 オトナンサー編集部では、水原さんとさとうさんに単独インタビューを実施。撮影への不安や演じた役と似ているところなどを聞きました。

本番前、脚本を読んで号泣…

Q.原作を読まれていかがでしたか。

水原さん(以下敬称略)「脚本を読んだ後に読みました。脚本の時点ですごいインパクトがあり、全てをさらけ出す愛の物語で面白いなと思いました。撮影前に原作を読まなくていいとも言われましたが、読まずにいられなくて読みました。最初からすごい熱量でした。原作のエネルギーも大事にしなければいけないポイントだと思いました」

さとうさん(同)「もともと原作のファンで、これが実写化されたら絶対に出たいと思っていました。今回、お話を頂いてうれしかったです。ストーリーが素晴らしく、絵の力が強かったので、それに対してどう表現するか不安はありました。でも、絶対に演じたいと思っていたのでうれしかったです」

Q.DVや殺人など激しい描写がありますが、撮影にあたり不安はありましたか。

水原「ないといえば、うそになります。好きな人のために人を殺す役で、そんな経験をしたことはないし、想像して演じるしかありません。いつも、演技が正しいのか葛藤がありました。演じるに当たって、手応えはなかなか感じられなくて、そういう意味で苦しかったです。すごくいいシーンだけど、『これをどう表現したらいいのか』という悩みは付きまとっていました」

さとう「七恵は精神的に限界が来ていて、旦那が死ぬか、自分が死ぬかしかないと考えています。本番に入る前にリハーサルをして、どんな極限状態か自分でも分からなくなっていきました。脚本を読み込んでいく中で、本当に孤独なんだなと感じるところが節々にあり、本番前に号泣しました。そんな状態になって不安はありましたが、だから本番はできるかもなとは思いました」

Q.演じた役と似ているところや共感できるところはありましたか。

水原「レイの行動は結果として、たくさんの人を裏切ることになりますが、七恵のことを守りたいという気持ちを大事にして、そこに向かって進んでいく決意は並大抵のことではありません。精神的にボロボロになるって分かっているし、そんなことをしなくてもいいと思います。でも、人に理解されなくても、自分のために立ち上がるところは共感できるなと思いました」

さとう「七恵自身が人のことを信じられないように育ったんじゃないかなと思っていて、何を言われても信じられないし、七恵も本音を言いません。自分の言うことを全部うのみに信じてくれる人はそうそういないと思っている。それと同時に、七恵も受け入れられないでいたんじゃないかと思います。その気持ちは私も少なからず分かります。でも、人のことをまったく信じられないのは苦しいだろうなと感じます」

Q.この作品は俳優人生の中でどんな位置付けになりましたか。

水原「役者としての自分を客観視できていないところがあります。これまで、役者の仕事はしていましたが役者と言われると照れるし、自分は『役者』ではないと思っていました。映画が終わったら、次はドラマ、その次は舞台みたいに役者一本で仕事をされている方と仕事をしていると、『私は役者です』とは言えないなと思っていました。

でも、この作品に関しては役者として自分がレイを演じられるかどうか、自分にとって、そして、役者としての挑戦みたいなところがありました。いろいろな意味で腹をくくって挑んだ作品です。役者として地に足をつけて挑んだ作品だと思います。撮影が終わった後、これからはどの作品にも100パーセント、パッションを持って挑みたいと思いました。自分の価値観を変えてくれた作品です」

さとう「私自身、長編映画に主演として関わったことが初めてで、奇跡的にコロナ禍の中でも撮影ができ、この作品を忘れないんだろうなと思いました。このスタッフだからこそできた作品だと思います」

 Netflixオリジナル映画「彼女」は4月15日から配信開始。

(オトナンサー編集部)

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