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コスプレ、天然お嬢…もう一度見たい“永遠のヒロイン”深田恭子ドラマ5選

田幸和歌子さんが選ぶ「テレビドラマ●選」。今回のテーマは「もう一度見たい“永遠のヒロイン”深田恭子ドラマ5選」です。

深田恭子さん(2020年2月、時事通信フォト)
深田恭子さん(2020年2月、時事通信フォト)

「○○年代を代表するラブストーリー」「△△役がハマる俳優」など、テレビドラマにまつわるさまざまなテーマについて、テレビドラマに詳しいライターの田幸和歌子さんが「●選」の形式で紹介、解説します。

 今回のテーマは「もう一度見たい“永遠のヒロイン”深田恭子ドラマ5選」です。

「困り顔+真顔+キョトン顔」の絶妙バランス

■「ルパンの娘」(2019・2020年、フジテレビ系)

 代々、泥棒を家業としている「Lの一族」の娘・三雲華(深田さん)と代々、警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史さん)との決して許されない恋愛を描いたラブコメディー。

「強烈な個性爆発の『Lの一族』の中で、華だけがまともであるために『困り顔+真顔+キョトン顔』というバランスも絶妙でした。『何をやっても同じ』と言われることもある深田さんですが、それを逆手に取り、笑いの方向に全振りしていたのが同作。ボディースーツ姿や女性警官、セーラー服姿などコスプレも豊富でした」(田幸さん)

「ちなみに、同作を手掛けているのは武内英樹監督で、深田さんの出世作である1998年放送のドラマ『神様、もう少しだけ』の監督でもあります。約20年の時を経て、同じ監督が全く老けず、かわいらしさを持ち続けている深田さんを撮るというのも、なかなか感慨深いポイント」

■「富豪刑事」(2005・2006年、テレビ朝日系)

 大富豪の孫娘で刑事の神戸美和子(深田さん)が男社会の警察の中で疎まれながらも、大富豪ならではの発想と奇抜な解決方法で、次々に謎を解き明かしていく姿を描いたミステリードラマ。

「天然お嬢さまキャラで、コメディエンヌとしての道を開花させました。常人では思いもよらないアイデアで難事件を次々に解決していく展開の痛快さは中毒性あり。深田さんお得意のキョトン顔は同作で演じた天然お嬢さまの『ちょっとよろしいですか?』というせりふで完成された感があります」

■「神様、もう少しだけ」(1998年、フジテレビ系)

 HIV感染をテーマに描かれた作品。人気音楽プロデューサー・石川啓吾(金城武さん)と援助交際がもとでHIVに感染した女子高生・叶野真生(深田さん)の2人がコンサートの帰り道、偶然出会ったところから始まるラブストーリー。

「ご存じ、深田さんの出世作となった作品。ぶりっ子キャラが作られる前の普通のギャルっぽさがリアルです。今見ると韓流ドラマっぽいと感じる人も多そうですが、ビジュアル的にも演技を含めた見せ方的にも、まだ何の手も入っていない『天然モノの深田さん』が見られるのは貴重です。演技はたどたどしいものの、一生懸命さは応援したくなりますし、『茶髪+ルーズソックス』のギャル姿が普通にハマっていました」

多くの人が求める“深キョン像”

■「隣の家族は青く見える」(2018年、フジテレビ系)

 家の購入をきっかけに妊活を始めた五十嵐奈々(深田さん)と夫・大器(松山ケンイチさん)の夫婦が、それぞれ現代的な悩みを抱えた隣人家族たちとの交流を通して、葛藤しながらも成長していく姿を描いたオリジナルストーリー。

「シリアスな社会問題の数々を描く作品が暗く、重くなりすぎないのは深田さんの柔らかさと愛らしさがあってこそです」

「妊活に励む夫婦やゲイカップル、事実婚などダイバーシティーの問題が豊富に盛り込まれていて、いろいろと考えさせられる良作。きちんと自分の思いを語ることのできる奈々に頼もしさを感じましたし、身内の妊娠を心から喜ぶことができず、涙をこぼす姿に共感した人も多かったようです」

■「ダメな私に恋してください」(2016年、TBS系)

 職なし、金なし、彼氏なし。加えて、貢ぎ体質のアラサーダメ女・柴田ミチコ(深田さん)と、喫茶店のマスターで、前の職場でミチコを罵倒し続けたドSな元上司・黒沢歩(ディーン・フジオカさん)の2人が繰り広げるラブコメディー。

「おそらく、多くの人が求める“深キョン像”の決定版が同作でしょう。同性からも愛されるヒロインになったのは、幼くてぶりっ子なのは恋愛に関してだけで、社会人としては実にまっとうで、ちゃんとしているところ。原作から飛び出てきたようなドS上司のディーン・フジオカさんにキュンキュンする女性視聴者も多かったようです」

(オトナンサー編集部)

田幸和歌子(たこう・わかこ)

ライター

1973年長野県生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経て、フリーランスのライターに。Yahoo!公式コメンテーター「エンタメライター」。週刊誌・月刊誌・ウェブ等で俳優・脚本家・プロデューサーなどのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムをさまざまな媒体で執筆中。エンタメ記事は毎日2本程度執筆。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)、「KinKiKids おわりなき道」「Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき」(いずれもアールズ出版)など。

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