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喜んでるのかニャ? 猫に着せる「服」、防寒の意味はある? デメリットは?

「自前の毛皮」に保温効果

Q.手術後の保護目的などで服を着せたい場合、どのような点に注意して着させればよいでしょうか。また、服を着ているときの注意点があれば教えてください。

松田さん「それぞれの猫に術後服が合うかどうかは、性格的な問題が大きく関与してきます。服を着せることでパニックになってしまったり、ご飯も食べないほど元気がなくなってしまったりする場合は、合わないと判断してやめてあげた方がいいかもしれません。もっとも、手術後だから元気がないだけの場合もありますが。

また、無駄な緩みがないかどうか、動きやすい素材かどうか、排せつ物が付きにくい作りになっているのか、汚れた場合に洗えるかどうかは重要なポイントになります。緩みがあるとすぐ脱げてしまいますし、動けないほど柔軟性のない素材だと生活の質が落ちます。さらに、不衛生だと傷の治りが遅くなってしまいます」

Q.服以外での、冬場の防寒対策を教えてください。

松田さん「エアコンや床暖房、こたつあたりが猫には合っていると思います。ストーブは、ひげを焦がしてしまうことがあるので注意が必要です。選ぶコツとしては『やけどをしないこと』『暑いと感じたら、自分で調節できる環境をつくれること』でしょうか。エアコンや床暖房を使用している場合でも、他の部屋に行けるようにしておくこと、窓際の涼しい場所を確保しておくことは大事だと思われます。

珍しい品種を除き、猫は自前の毛皮を着ています。それだけで保温効果はあるので、本当に防寒が必要なのかどうかも一度考えてもらえるとうれしいです」

(オトナンサー編集部)

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松田唯(まつだ・ゆい)

獣医師

1987年、埼玉県生まれ。子どもの頃から動物好きで、高校時代に北海道で酪農体験をしたことなどから獣医師を目指す。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院での勤務を経て、2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代に医療の専門用語が苦手だった経験を逆手に取り、飼い主に治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して選択できる診療を心掛けている。ガイア動物病院(https://www.gaia-ah.com/)。

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