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上野樹里、川口春奈、広瀬すず…「末っ子女優」最強説を検証する!

今年のドラマシーンをけん引する上野樹里さん、川口春奈さんをはじめ、松たか子さん、広瀬すずさん、仲間由紀恵さん…「末っ子女優」は最強なのでしょうか。

(左上から時計回りに)上野樹里さん、川口春奈さん、広瀬すずさん、新垣結衣さん(2017年10月、時事)
(左上から時計回りに)上野樹里さん、川口春奈さん、広瀬すずさん、新垣結衣さん(2017年10月、時事)

 上野樹里さんと川口春奈さん。共に今年の序盤、ドラマシーンで注目を浴びた女優です。上野さんはTBS系連続ドラマ「テセウスの船」好調の原動力となり、川口さんはNHK大河ドラマ「麒麟がくる」のスタートダッシュに貢献しました。

 そんな2人には、生い立ちに一つの共通点があります。それは3姉妹の末っ子だということです。

 これとは別に、兄と姉がいる末っ子の女優もいます。例えば、松たか子さん。姉は女優の松本紀保さんで、兄は歌舞伎役者の松本幸四郎さんです。松さんはディズニーアニメ「アナと雪の女王2」で第1作に引き続き、ヒロインの声優とメインソングの歌手を務め、今年2月には米国アカデミー賞授賞式で歌を披露して話題になりました。

 松さんは今年1月公開の映画「ラストレター」に主演していますが、この作品でヒロインの姉とその娘の2役を演じたのが広瀬すずさんでした。こちらもまた、一般人の兄と女優をしている姉・アリスさんがいる末っ子です。映画「海街diary」(2015年公開)では、1人だけ母親が違う4姉妹の四女に扮(ふん)し、みずみずしい演技が高く評価されました。

仲間由紀恵、香里奈、尾野真千子、篠原涼子…

 最近の芸能界では、こうした“末っ子女優”の活躍が目立ちます。他には、関西テレビ・フジテレビ系連続ドラマ「10の秘密」に出演している仲間由紀恵さん(5人きょうだい)や、TBS系連続ドラマ「恋はつづくよどこまでも」の香里奈さん(3姉妹)もいますし、新垣結衣さん、中越典子さん(共に3姉妹)、尾野真千子さん(4姉妹)、篠原涼子さん、上戸彩さん(共に3人きょうだい)、吉田羊さん(5人きょうだい)もそうです。

 なお、橋本環奈さんは双子の妹で、その上に兄がいるので、やや変則的な末っ子です。

 さらに、現在活動休止中の沢尻エリカさんも兄が2人。つまり「麒麟がくる」での帰蝶役の交代は、末っ子同士によるものでした。また、沢尻さんがかつて内定していたという映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」(2010年公開)のヒロイン役を引き継いだ黒木メイサさんは姉が3人。こちらも末っ子リレーです。

 降板つながりでいえば、不倫スキャンダルの唐田えりかさんも3姉妹の末っ子。とまあ、豪華かつタイムリーな顔ぶれが末っ子女優にはそろっているのです。

 ではなぜ、末っ子と女優の相性がこんなにいいのか。きょうだい構成と性格の関係にいち早く着目して、「姉妹型性格判断 相性と適職を知りたいあなたに!」などを著した漫画家で著述家の畑田国男さんは、末っ子タイプの特徴として以下のものを挙げています。

「自信」「大胆」「負けず嫌い」「目立ちたがり」「理論より感覚」「ワガママ」

 なんとなく分かる、という人もいることでしょう。末っ子は親からよくも悪くも甘やかされ、それほど神経質にもならずに割と自由にやらせてもらえるものの、兄や姉がいるので、人一倍、根性や自己アピール力がなくてはなりません。いわば環境的傾向から生じる特徴です。

 そういえば、広瀬姉妹はお互いをこう評しています。

「お姉ちゃんは考えて考えて…ってタイプ」「すずは直感型」

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宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

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