稲葉友、苦手なホラー映画出演は「見せ方が難しかったです」

　映画「シライサン」に出演する俳優の稲葉友さん。同作は、心不全で親友を目の前で亡くした大学生の瑞紀（飯豊まりえさん）と弟を失った春男（稲葉さん）は彼らが死の直前、何かにおびえていたことや死体の目が破裂していたという共通点があることから、事の真相を調べ始める…人気作家・乙一さんが本名の「安達寛高」名義で初長編監督を務めるホラー映画です。

　オトナンサー編集部では、稲葉さんにインタビューを実施。ホラー映画出演の感想や、春男との向き合い方、安達監督との仕事の感想などを聞きました。

ハプニングは「シライサン」のせいに

Q.ホラー系は苦手とのことですが、出演されていかがでしたか。

稲葉さん（以下敬称略）「台本を読んで怖かったです。これをどう演技で怖く見せるか、怖がってばかりもいられないので、考えながら撮影に行っていました。撮影現場は怖いということもなく穏やかな現場でした。今のシーン怖かったかなとか、どうしたら怖く見えるか見せ方がなかなか難しかったです」

Q.おはらいに行けなかったそうですが。

稲葉「ホラー作品なので飯豊さんは行きたいと言っていましたが、僕は絶対、おはらいを受けたい、個人でも行きたいということでもなかったので、スケジュール的なこともあり行きませんでした。飯豊さんが僕の分もおはらいしてくれているから大丈夫です」

Q.現場で不思議な出来事やハプニングはありましたか。

稲葉「あるシーンの撮影でケーブルを上の方に通していたんですが、カット直前に落ちてきたりしました。テープが甘かっただけなんですが、『シライサンだよ』と言ってました（笑）一瞬、みんなビクッとするんですが、シライサンのせいにして和ませていました。誰かがセリフをかんだときもシライサンのせいにしていました（笑）」

Q.シライサンの造形を見た感想をお願いします。

稲葉「怖かったです。最初に見せてもらったのがスマホの画面で、とても怖かったです。怖いと感じたことは作品にとってプラスになるし、演じていて出さなければならない感情です。シライサンを見て自然と引き出されたと思いました」

Q.春男をどのように捉えられましたか。

稲葉「家族が変死し、その謎に迫りたくなる理由は何だろうと考えました。単純に知りたいでもいいんですが、それだと春男じゃなくてもいいと思います。春男である必然性、家族との関係性はどうかとか、弟との関係値はどんなだったんだろうとか、多くは描かれていませんが、ちゃんと共感して理解していきました」

Q.ジャパニーズホラー（Jホラー）の魅力は、幽霊にもバックボーンがあるところだと思います。

稲葉「Jホラーの怖さは物理的な力ではないです。海外は分かりやすく、チェーンソーやなたを持った殺人鬼などが出てきますが、Jホラーはそうではないところが海外で評価されているみたいです。

日本の幽霊って、出てきた瞬間から怖いです。コミュニケーションは取れなさそうだし、物理的な力も通じないだろうし、逃げるしかありません。シライサンは、目をそらしたら死ぬというルールがあるので背を向けて逃げたりできません」

Q.安達監督との仕事はいかがでしたか。

稲葉「とても穏やかでした。きちんと決めていくより、お互いに意見を出し合い、コミュニケーションを取りながら、現場で一緒に作っていくスタイルでした。

監督は言葉が口から出てくるまで、頭にたくさん言葉が浮かんでいるのが分かります。その段階でいかにくみ取れるかというところがありました。こっちも提示しないといけないし、思いもくみ取らないといけません。でも、穏やかなやりとりでした」

Q.リフレッシュには、どんなことをされていますか。

稲葉「サウナですね。週1で行きます。あとは漫画を読んだり、友達とお酒を飲んだりします」

　映画「シライサン」は1月10日から全国公開。

（オトナンサー編集部）

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