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フレンチ、一人飯、家レシピ…秋の「食ドラマ」はなぜこれほどウケた?

年末年始もグルメドラマを3日連続放送

「孤独のグルメ」がシリーズ8作目であるように、すでにグルメドラマは定番ジャンルとして定着しました。そもそも、グルメは興味関心のトップクラスでありながら、一人一人の好みが分かれる嗜好(しこう)性の高いジャンルだけに、さまざまなバリエーションの物語が可能なのです。

 先述したように、ターゲット層をしっかり見極めて制作しているため、視聴者本人たちにとっては「確実に満足させてもらえる」という安心感があるのもポイントの一つ。これは裏を返せば、「番組を見ていないターゲット層以外の人々から不必要な批判を受けることが少ない」ということでもあります。また、俳優が食べる演技をすることで、バラエティーや情報番組のリポーターのような仰々しさを感じさせないのも人気の秘訣(ひけつ)でしょう。

 最後に挙げておきたいのは、演出の進化。撮影機器やカメラワークなどの映像技術が発達したことで、料理をよりおいしそうに見せられるようになりました。どのグルメドラマも完成した料理が映された直後に、SNSへの書き込みが活発になることがそれを証明しています。

 年末年始の12月31日に「孤独のグルメ」、1月1日に「きのう何食べた?」、1月2日に「忘却のサチコ」(いずれも、テレビ東京系)と3日連続でグルメドラマの特別版が放送されるように、その人気は秋だけにとどまりません。今後もますます、さまざまなコンセプトのグルメドラマが増えていくのではないでしょうか。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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